「血管が詰まる」サインは手足に現れる?40代が無視してはいけない冷えと痺れとは|医師が解説
01/25 20:00
手足の冷えは「血流が足りていない」サインかもしれない
冬でもないのに手足が冷たい。
靴下を履いても足先だけ冷える。
こうした症状、女性に多いと思われがちですが、40代以降の男性にもかなり増えています。
血管は年齢とともにしなやかさを失い、内側に汚れ(動脈硬化)が溜まりやすくなります。すると、心臓から送り出された血液が末端まで届きにくくなる。結果、一番遠い手足から冷えが始まるわけです。
実際、健診では「血圧は正常」「コレステロールもギリギリセーフ」と言われていた50代男性が、「足先が冷えて夜眠れない」と受診。調べてみると、下肢の血管がかなり狭くなっていた、というケースも珍しくありません。
冷えは単なる体質ではなく、血管の通行量が減っているサイン。そう考えると、見方が変わってきます。
「ピリピリ」「ジンジン」は神経じゃなく血管が原因のことも
痺れというと、「神経が圧迫されている」と思う人が多いですよね。もちろんそれもありますが、40代以降で増えてくるのが、血流不足による痺れです。
血液は酸素と栄養を運ぶライフライン。それが滞ると、神経も正常に働けなくなります。
すると、以下のような症状が出てきます。
長く歩くと足がジンジンする
手先がピリピリして細かい作業がしづらい
朝より夕方のほうが痺れが強い

ある40代女性は、デスクワーク中に足の裏が痺れて集中できなくなり、「坐骨神経痛だろう」と放置。ところが検査すると、糖代謝異常と軽い動脈硬化が進行していました。血糖と血管、両方が関係していたわけです。
痺れ=神経と決めつけず、血管の視点も持つことが大切です。
放置するとどうなる?静かに進む“詰まりのリスク”
手足の冷えや痺れは、命に直結しない分、どうしても後回しにされがちです。でも、ここが落とし穴。
血管のトラブルは、「ある日突然」起こるように見えて、実際は何年も前からサインを出し続けています。
末端の血流が悪い状態を放置すると、やがて心臓や脳の血管にも負担がかかる。
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
これらの多くは、「以前から手足が冷えていた」「痺れがあった」という背景を持つ人が少なくありません。

特に40代は、仕事も忙しく、健康は後回しになりがち。でもこの時期に気づいてケアできるかどうかで、10年後の血管年齢は大きく変わります。
冷えと痺れは「年齢のせい」にしない
手足の冷えや痺れは、体が出してくれている分かりやすいサインです。
「疲れてるだけ」「冷え性だから」と片づけず、
・最近、症状が強くなっていないか
・左右差がないか
・歩くと悪化しないか
こうした点を一度、冷静に振り返ってみてください。
血管は、文句を言わずに黙って傷んでいきます。だからこそ、最初に声を上げる手足の違和感を拾えるかどうかが重要です。
40代は、まだ間に合う年代。
その冷え、その痺れ、体からのメッセージかもしれません。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
甲斐沼 孟
大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。