〈“変態教員グループ”事件〉生徒のリコーダーに体液を混入させた小学校教師は保釈後泣きながら「承認欲求を満たしたかった」少林寺拳法仲間は「プライベートは謎」「翼をくださいをMDで…」
07/04 11:00
〈「小学生に興奮したことある?」と聞かれショックを受けた現役教師…“変態教員グループ事件”の余波…名古屋市は市内の学校に盗撮機器のチェックを通達「授業のスマホ持ち込みも禁止になった」 〉から続く
女児児童を盗撮し、画像や動画を共有した変態教師グループが逮捕され、はや一週間が経過した。この事件については、三原じゅん子こども政策担当大臣も「人権をないがしろにする行為、決して許されないものである」と強く非難したのも記憶に新しい。逮捕されたグループの一味で悪質だと言われているのは、15歳の少女のリュックサックに体液をかけたり、給食に自らの体液を入れたりした水藤翔太被告だ。
〈画像〉好きなテレビ番組は「Eテレ」…広報誌に掲載された“こせ”こと小瀬村容疑者のプロフィール
名古屋市教委は情状酌量の余地はない、懲戒免職の処分を
一連の変態事件を受けて、名古屋市教育委員会は6月30日、不同意わいせつ罪などで起訴されている小学校教員の水藤翔太被告(34)を、懲戒免職にした。
懲戒免職の辞令を受け取った水藤被告の様子を、名古屋市教委の関係者が語る。
「水藤は辞令を直接受け取るとき、涙を流しながら『申し訳ないことをしてしまった』と話していました。ほかにも、『本当に全国の教員、公務員に対しても多大な影響を与えてしまった。(教職の)信用をこれだけ失墜させてしまったことで本当にご迷惑をかけてしまった』『被害者、保護者に対しても一生の傷を負わせてしまった』などと謝罪の発言をしていました」
名古屋市教委によれば、水藤被告は起訴後、すでに保釈されている。保釈後は、複数回にわたり、対面で聞き取り調査が行われた。その結果を鑑みて、名古屋市教委は情状酌量の余地はないと判断し、懲戒免職の処分を下したという。
聞き取り調査のなかで、水藤被告が事件を起こしてしまった理由について、名古屋市教委はまったく腑に落ちないという。同教委の幹部は、教育委員会が水藤被告に行った聞き取りの内容をこう明かした。
「水藤は、“極端にストレスを感じる”などという発言はしていません。また、児童への性的思考があったのかどうかも、本人は聞き取りで話していません。
いっぽうで、本人からは“承認欲求があった”という話が出ています。ただ、教育委員会として、それを信じていいかどうかはわかりません。もちろん突っ込んで事情聴取をしました。本人は『いま言われている、SNSとかに写真や動画をあげているという承認欲求を満たすなど、そういう気持ちがあったのかもしれない』と話したそうです。
“すごいと思われたい”という気持ちで、こんなひどい事件を起こしたでは、私は納得できません。もちろん、教育委員会としても、その言い分をすべてうのみにはしていません」
15歳の少女のリュックサックに自分の体液をかけたほか、路上で自らの隠部を複数回露出させたり、児童の給食に体液を入れたり、児童のリコーダーに体液を塗ったりなど、水藤被告の変態行為は承認欲求で片付けられるのだろうか。
「水藤=合唱曲」とみんなに言われていた
#5でも詳報したように、水藤被告は両親が教師で校長経験者。地元の中学を卒業したのち、愛知県内で有数の進学校である菊里高校に進学。その後は、愛知教育大学へ進み、教壇に立った。水藤被告は運動神経が抜群だとも言われており、10代から大学まで少林寺拳法を習い、大会で最優秀賞を受賞するなどの成績を収めてきた。
水藤被告を10代のころから知る少林寺拳法仲間は、水藤被告についてこう話す。
「道場での練習がない日は、ほかの道場で出稽古をしていたくらい、ずっと少林寺拳法の練習。ほぼ毎日一緒にいたんすよ。
水藤はまじめよ、まじめ。午後10時過ぎに練習が終わるときも、これから遊ぼうと誘うと『補導されるから帰る』というんですよ。でも付き合いが悪いやつではなく、大会前の食事会とかには来ていたし、話の輪にも一応は入るって感じ。高校時代からガタイも良くなって、少林寺拳法も上手くなっとたもんな。大学時代もずっと少林寺拳法を頑張っとって、偉いなって感じ」
まじめな一方で“変なやつ”という側面も持っていたと話す。
「あいつは変なところ隠すんですよ。少林寺拳法の仲間内の会話で『家どこ?』と聞くと、『お前には教えん』と言い、そのあとで家のドアの写真を送ってきたり。高校時代には『彼女見してよ』と言っても、『教えん』と断り写真を見せてくれなかったなあ。プライベートの姿はあまり明かさないのが水藤って感じで、みんなもそれに慣れていた」
とはいえ、社交的な一面もあったという。
「当時、みんながアディダスの三本線ジャージを着るなかで、水藤だけ別のメーカーだったのよ。だから、ジャージ買いに行こうぜと声かけて、よくやんちゃなやつが着るピカピカのジャージを買わせようとしたら、本当に買ったのね。そのあとも、『派手だから外では着れんね』と笑いながら話してくれていたし、付き合い的なノリはよかった。もちろん、下ネタ話とかもしたよ。自分に関係した下ネタは言わんかったけど。
あと、あいつとカラオケ行くと合唱曲をよく歌うのよ。『水藤=合唱曲』とみんなに言われていたくらい。『翼をください』とか歌いおったな。歌は上手だった。
あいつがMDプレイヤーで音楽を聞いていて『水藤、何聞いてんの』と聞くと、『合唱曲』とだけ返事が返ってきたのも印象に残っているなあ。そこだけ明かしてくれたね。みんなが『ゆずとか聞かんの?』と聞くと、『ゆずも聞くけど、合唱曲をよく聞く』と言い、そこから水藤セレクションという合唱曲が入っているMDカセットを仲間内で共有して、聞いていたね」
保釈後SNSなどのアカウントを更新して、
大学へ進学したあとも前出の友人とは定期的に連絡を取り合い、社会人になってからも交流は続いたという。
「結婚式にも呼んでくれたしね。俺らも水藤の奥さんってどんな感じなのか興味があったから、記憶に残っている。2010年代半ばから後半にかけてだったかな。そこで水藤の奥さんをはじめてみた。
風の噂で水藤は先生をやっとると聞いとったけど、どこに勤めているかしらんかったし、家も知らんかったからな。結婚式は唯一、水藤のプライベートが見られた瞬間でもあった。どうしてあんな事件を起こしてしまったんやろな。自己承認欲求なわけないやろ。やっぱ隠すんやな」
友人によれば、水藤被告は3月の逮捕後、保釈されてからSNSなどのアカウントを更新して、自らの写真を消去し、自分だとバレないように顔写真や大学、職場などをウソの経歴に書き加えたという。
7月17日に名古屋地裁で水藤被告の初公判が行われる。公判で水藤被告の本音が出るのだろうか。
※「集英社オンライン」では、今回の事件についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
X(旧Twitter)
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班