荻原博子「金利上昇で住宅ローンを変動で借りている人は要注意。利上げ分が返済しきれず、元金が増えてしまうことも?!」

経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「日銀の利上げ。生活への影響は?」です。(イラスト:さかがわ成美 「婦人公論」2026年3月号より掲載)

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日銀の利上げ。生活への影響は?

2025年12月19日、日本銀行が0.5%だった短期の市場金利を、0.75%に上げました。

これを受け、各銀行でも預金金利を引き上げる動きが出て、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などが早々に普通預金の金利を0.2%から0.3%に引き上げると発表。ほかの金融機関にも波及しそうです。

今回の利上げには、金利を正常化して物価の上昇を抑える狙いがありますが、利上げ直後でも円は1ドル157円。自民党総裁選前の147円にさえ達していません。つまり、まだまだ物価を安くする水準にはないということ。

証券市場ではさらなる利上げがあると見ていて、植田和男日銀総裁も、「実質金利は依然としてマイナスである」という認識。利上げ公表文の中でも、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」と書いています。

つまり、この先も金利は上がっていくということ。

(イラスト:さかがわ成美)

借金減らして、現金増やせ

特に住宅ローンへの影響は大きく、変動金利で借りている人が約8割という現状を考えると、返済がつらくなる人は多いでしょう。

すでに大手銀行が、住宅ローンの指標となる短期プライムレートを年1.875%から2.125%に上げると発表。3月以降、金利が引き上げられる見通しです。

住宅ローンの変動金利は半年ごとの見直しですが(1ヵ月ごとのところも)、「5年ルール」といって返済額は5年間変わりません。なので、金利が上昇していくと、5年間決まった額を返していても利上げ分が返済しきれず、借りたのは2000万円なのに、5年後には元金が2100万円に増えているという理不尽なことになるかも。慌てないためには、繰り上げ返済を検討するべきです。

2027年には「こどもNISA」もスタートするようで、このタイミングで投資をしたいという人もいるでしょう。ただ、株価は金利の上昇には弱い。

ですから、今やらなければいけないのはしっかりと借金を返し、何かあってもやっていけるだけの一定額の現金を確保すること。そのうえで、投資をするなら余裕資金で挑戦しましょう。

「辰巳天井、午(うま)尻下がり」といい、午年の株は下がるという格言もあります。企業の倒産件数も個人の自己破産も12年ぶりの高水準。実質賃金もまだ下がるかも。

「借金減らして、現金増やせ」。今年もしっかり家計を見直して、何があっても困らないようにしておきましょう。

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