北米市場を睨んだトヨタ渾身の高級グランドツアラー 初代「セリカXX」はなぜ海外名「スープラ」を名乗った? 【47年前の今日・登場】
04/13 09:10
今から47年前の1978年(昭和53年)4月13日、トヨタから「セリカXX(ダブルエックス)」が発売されました。どんなクルマだったのでしょうか。
2代目セリカをベースに6気筒エンジンを搭載
今から47年前の1978年(昭和53年)4月13日、トヨタから「セリカXX(ダブルエックス)」が発売されました。どんなクルマだったのでしょうか。
1970年(昭和45年)に登場したトヨタ初代「セリカ」は、1977年(昭和52年)8月に2代目にフルモデルチェンジされました。
それから約8カ月後の1978年4月、セリカの上級モデルとしてセリカXX(以下、XX)が発売されました。
それまでのセリカは(初代から)4気筒エンジンを搭載していましたが、このXXは6気筒エンジンを搭載しました。これは、北米市場を重視してのことといわれています。
2代目セリカ リフトバックをベースに、フロントを210mm、ホイールベースを130mm伸ばして、伸びやかなスタイリングになりました。
角型4灯ヘッドランプや、トヨタ2000GTを彷彿とさせるT字型グリルも採用し、スポーティ&ラグジュアリーなイメージを強めました。
インテリアも、本革シートをオプション設定するなどラグジュアリー志向が高められていました。
搭載された6気筒エンジンは、クラウンにも搭載されていた2リッターと2.6リッター。中でも2.6リッターの4M-EU型は、SOHCながら140psの最高出力と21.5kgmの最大トルクを発生し、5速MTと4速ATが組み合わされました。
サスペンション形式は基本的にセリカと同じですが、乗り心地重視でスポーツカーというよりは高級スペシャルティカーといった感じでした。
このあたりは、XXが北米市場を重視したクルマだったことを端的に表しているでしょう。なお、1980年(昭和55年)の小変更で、リアサスペンションは独立式のセミトレーリングアームになり、2.6リッターエンジンは2.8リッターの5M-EUになりました。
発表当時の車両価格は、「2000 L」(2リッター・5速MT)の146万6000円から「2600 G」(2.6リッター・4速AT)の190万9000円でした。
性能的には当然2.6リッターのほうが優れていましたが、当時の税制では3ナンバーとなる2.6リッターは税金が高く、日本市場では2リッターのほうが多く見かけられました。
また、「XX」という名称はアメリカでは映画の成人指定を意味するので、輸出名は「スープラ」になったことは、クルマ好きの間ではよく知られたエピソードです。
セリカXXは1981年(昭和56年)に2代目にフルモデルチェンジされ、1986年(昭和61年)に登場した3代目からは、日本でもスープラを名のるようになりました。