落札予想は1億円超え!? 製造台数40台の貴重な「R33」がオークションに登場 走行距離1万キロ以下 “グランツーリスモ”でも登場する幻の「400R」 現在の価値とは

2025年8月15日から16日に米国カリフォルニア州モントレーで開催されるRMサザビーズのオークションに、1997年型の日産「スカイラインGT-R ニスモ400R」が出品されます。どんなクルマなのでしょうか。

400psを発生する2.8リッター直6ツインターボを搭載

 2025年8月15日から16日に米国カリフォルニア州モントレーで開催されるRMサザビーズのオークションに、1997年型の日産「スカイラインGT-R ニスモ400R」が出品されます。

 どんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品される予定の1997年式日産「スカイラインGT-R ニスモ400R」Robin Adams(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

オークションに出品される予定の1997年式日産「スカイラインGT-R ニスモ400R」Robin Adams(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 R32型「スカイラインGT-R」は、グループAレースで圧倒的な強さを誇ったことから、海外では「ゴジラ」というニックネームで呼ばれていました。

 それゆえ、オーストラリアのツーリングカー選手権では、4輪駆動とターボチャージャーが禁止されるほどでした。

 日産は後継モデルのR33型スカイラインGT-Rでル・マン24時間レースにも参戦しましたが、芳しい成績は上げられませんでした。

 それでも日産は参戦を記念して、ニスモ(NISMO=日産 モータースポーツ インターナショナル)のチューニング部門にR33を徹底的にリファインさせました。

 そうして生まれたのが、この400Rです。

 当時、日本では自主規制で最高出力は280psに制限されていましたが、この400Rはその名のとおり400psを発生していました。

  直6ツインターボエンジンはボアアップで排気量を2568ccから2771ccに拡大し、ターボのブースト圧は1.1バールに高め、アテーサ4WDシステム、トルクベクタリング、スーパーハイキャス4WSなどで力強い走りを実現しました。

カーボンファイバー製のリアウイング/ボンネット/ドライブシャフトに加え、チタン製のストラットブレース、ビルシュタイン製のダンパー、30mm低められた車高、そしてLM GT1レーシングカー用の豪華な3ピース18インチホイールを備えた400Rは、100台の限定生産が予定されていました。

 ですが、このサーキット走行に特化した400Rは、日本の景気後退や標準のGT-Rの3倍もする車両価格のため、44台しか生産されなかったと言われています。

 実際、400Rは40台しか確認されていないようです。

 ですが、ソニーのプレイステーション用ゲーム「グランツーリスモ」に希少な400Rが登場したことで、ゲームソフトは1100万本近くも販売されました。

 歴代スカイラインの中でも、この400Rはコレクター垂涎の1台なのです。

 今回の出展車は1996年9月に日本で初めて登録されました。

 その後の来歴は不明ですが、2012年ごろに香港で登録されたようです。

 添付書類によると、2021年10月に群馬県在住のオーナーが購入し、3年あまり所有した後、アメリカに輸出されて登録されました。

 オークション用カタログ掲載時のオドメーターは、7093kmを示していました。

 このスカイラインの血統を伝承したニスモ400Rは、どんなイベントに参加しても、どのコレクションよりも傑出して観客を魅了することでしょう。

 この1997年式の日産 スカイラインGT-R ニスモ400R、オークションでの落札価格は90万USドル〜110万USドル(1USドル=約149円として、約1億3410万円〜約1億6390万円)と予想されています。

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