ヤリスクロスより小さい“個性派コンパクトSUV”の魅力とは? シトロエン新型「C3 ハイブリッド」はポップなルックスながら実は高速クルージングが大得意
03/01 21:10
シトロエン新型「C3 ハイブリッド」は、ポップなルックスとコンパクトなボディで街乗り重視のモデルと思いきや、高速道路では予想外の走りを見せてくれました。日本人デザイナーが手がけたカラー&マテリアル、シトロエンらしさが息づくコックピット、そしてロングドライブで光る走りの真価。そんな多面性を備えた新しいフレンチコンパクトの魅力とは?
ポップで明るいけれど走りはやはりシトロエン
先代「C3」は、シトロエンの中で1、2を争うほどおしゃれなルックスをまとっていたことで知られるコンパクトカー。そんな個性派の新型が、2025年秋に日本へと上陸しました。先代は背の高いハッチバックスタイルのモデルでしたが、コンパクトSUVともいえるスタイルへと変貌を遂げた新型はよりポップな印象に。しかしその走りには、しっかりと“シトロエンらしさ”が残っていました。
先代「C3」シリーズの日本仕様には、コンパクトカーの「C3」とそのSUV版というべき「C3 エアクロスSUV」がラインナップされていましたが、4代目となる新型「C3 ハイブリッド」はそんな2台の間を埋めるようなポジションとなり、コンパクトSUVだけのラインナップとなりました。
ボディサイズは、先代「C3」に比べて全長で20mm、全幅で5mm、そして高さで95mm拡大しています。確かに大きくはなりましたが、それでも全長4015mm、全幅1755mm、全高1590mmとコンパクト。国産コンパクトSUVの代表格であるトヨタ「ヤリスクロス」と比べても、新型「C3 ハイブリッド」の方が全長で約165mm、全幅で10mm小さく仕上がっています。多くの人が「選びやすい」と感じるサイズ感に収まっており、運転する上での心理的なハードルを下げてくれます。
「選びやすい」と感じるのは価格も同様です。円安などの影響で輸入車は高価格化が続いていますが、今回試乗した上級グレード「C3 MAX ハイブリッド」の価格は(消費税込)364万円(別途、経済変動加算額あり)。輸入車SUVと考えるとリーズナブルな設定といえます。

改めて目の当たりにした新型「C3 ハイブリッド」からは「明るいクルマだなぁ」という第一印象を受けました。
まずはそのボディ色。試乗車は“ブルー モンテカルロ”とホワイトルーフのツートーンカラーとなっていましたが、ポップで明るいという表現がぴったりのコーディネートとなっていました。
そして、明るいと感じさせたのはインテリアも同様。ルーフライニングやシートのカラーには“ライトグレー”が採用されていて、インテリアは使いやすさを重視しつつも明るく仕上げられている雰囲気です。
なお、新型「C3 ハイブリッド」のカラー&マテリアルを担当したデザイナーは、日本人女性。フランス車らしい雰囲気をまといながら、日本人の感性にも合う感覚を覚えるのは、そういった背景も影響しているのかもしれません。
街中はキビキビなのに高速はどっしりとした乗り味
「ポップで明るい」という表現は内外装デザイン全体にいえることで、往年のシトロエンファンにしてみれば「らしくない」といわれてしまうかもしれません。
しかし、運転席に座り、ステアリングまわりを見てみると「シトロエンらしい」と感じられる景色が広がっていました。
下部がフラットとなったオーバル形状のステアリング、フローティングしているようなデザインとなるステアリングスイッチ類……さらに、そこから視線を上げていくと、水平基調のダッシュボード上部にメーターが配置されています。常時表示される情報が厳選されたメーターのデザインも含めて、運転席からの景色はかなり独特。そこには伝統的なシトロエンらしさが息づいているようにも感じられます。
ちなみに、他のモデルではあまり見かけない不思議な形状のステアリングは、運転し始めでは違和感を覚えましたが、時間が経つにつれしっくりと馴染むようになり、思いのほか操作がしやすいと感じました。
そんな新型「C3 ハイブリッド」で走り始めてみてまず感じたのは、車体の軽さからくる軽快感でした。
街中での走りは、クイックなステアフィールやキビキビとした加速感が印象的。アクセルをオフにした際の回生ブレーキは効き具合が強めですが、そういったドライバビリティも含めて、街中を軽快に移動するのに適した乗り味となっています。
乗り心地は全体的にソフトな印象。ただしソフト過ぎるのか、振動の収束が少し遅く感じられるシーンもありました。

そういった乗り味のため「街乗り重視のモデルなのかな?」と思っていたのですが、高速道路を走ると予想外の美点を味わわせてくれました。
速度が増してくるとステアフィールはどっしりとした感触へと変化。コンパクトなボディの割には直進安定性に優れていて、「これなら長距離ドライブもさほど苦にならないかも」と感じました。
このように、ロングドライブが得意な新型「C3 ハイブリッド」ですが、ACC(アダプティブクルーズコントロール)がオプションでも用意されていないのは玉にキズ。いまや日本車ではエントリーセグメントにも装備されているアイテムなだけに、今後の追加設定に期待したいところです。
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最初の輸入車として選びやすい要素を多く備えながら、程よいフランス車らしさ、シトロエンらしさが息づいている新型「C3 ハイブリッド」。コンパクトな輸入車SUVを検討中の人は、ショッピングリストにぜひ加えておきたい1台です。