SpaceXに対抗する存在になるか。ASTが宇宙最大の通信衛星の展開に成功
02/16 22:00
GIZMODO

米国テキサスを拠点とする宇宙スタートアップAST SpaceMobileの人工衛星「BlueBird 6」が、無事宇宙で通信アレイ(展開式パネル)の展開に成功し、話題となっています。
宇宙最大の商業衛星に
同社の発表によれば、宇宙で最大の商業衛星になったBlueBird 6は、AST SpaceMobileの次世代コンステレーション(通信サービスを提供するための複数の衛星で構成されたネットワーク)の第1号機。このコンステレーションは将来的に同じサイズの衛星を最大60基で構成する予定で、2026年末までに打ち上げを完了させることを目標としています。その結果、最終的にアメリカ全土および一部の初期市場で、5Gデータサービスを提供できるようになると発表しています。
これまでASTが開発してきた衛星パネルと比べて、約3倍の大きさとなるこのBlueBird 6。2,400スクエアフィート(223平方メートル)にも及ぶこの衛星の通信パネルは、120MB/秒のスピードでデータ通信を可能に。またそれぞれの衛星が、10GHzの帯域幅をサポートするよう設計されています。
SpaceX独占を崩せるか
2022年にプロトタイプとなるBlueWalker 3を打ち上げたASTは、その1年後、宇宙から初の5G電話通話を実施。地上のSamsung(サムスン)Galaxy S22に接続することに成功し、注目のスタートアップとして一躍脚光を浴びることとなりました。
現在9,000基以上ものStarlinkの衛星を打ち上げ、軌道上を独占的に掌握しているSpaceX(スペースX)に追随する企業になる可能性も示唆されているAST。同社は追加のハードウェアを必要としない直接セルサービスの提供を計画していることも伝えられています。そのため、今後SpaceXの独占状態を打破する存在になりうる企業として期待されています。
このシェア争いが激化するとなると、通信事業をめぐる宇宙開発はさらに進んでいくことになるのかも。
“明るすぎ”問題も
一方で、このASTの巨大衛星に関して懸念を表明しているのは、宇宙科学の研究を続ける天文学者たち。BlueWalker 3が打ち上げられ、宇宙で通信アレイを展開した際も、明るさが約2等級も増加し、夜空のほとんどの天体を上回るほどの明るさに。この圧倒的な明るさのせいで、宇宙の天文観測が妨げられる可能性があると警告しています。