HDDの老舗メーカー「2026年向けのHDDは完売」とアナウンス
02/20 10:00
GIZMODO

今年もヨロシク、って言ったばっかりなのに。
これまで、特に労なく購入できた外付けハードディスクドライブ(HDD)ですが、今年は手に入らなくなるかもしれません。Western Digital社(ウエスタン・デジタル、以下WD)によると、同社の「顧客トップ7」からの需要が急増しており、今ある在庫が尽きてしまったら枯渇状態になる恐れがあるようです。
「ハードディスクの記録密度は13カ月で倍化する」というクライダーの法則が出るなど、わずか10年ほど前まで世の中はHDDからSSDへと移行する流れにありました。しかしその後、ハードドライブはちょっとした復活劇を演じています。予想外の復活を遂げた要因は、磁気物理学の科学的飛躍だけでなく、AI用途での需要増加もそのひとつ。
しかし、最近GPUやRAMを購入しようとした方なら既にお察しかと思いますが、一般消費者にとってこれはハッピーエンドとは言えないかもしれません。
AI市場からの飽くなき需要の急増は、往々にしてそれ以外の人を枯渇させてしまいがち。昨年NVIDIAがそうであったように、WDも今同じ道を辿っています。
先日の第2四半期決算説明会で、WDのアーヴィング・タンCEOは株主に対し、「今年のHDD販売枠はほぼ完売。主要顧客7社との購入契約を締結済みです」と述べました。嘘みたいですが、本当の話です。
つまり、HDDメーカーとして知られる同社は、少なくとも2027年までは新しいHDDを販売できないということ。しかも「少なくとも」ですから。説明会でタン氏は、「大手顧客との契約のうち、2件は2027年まで、もう1件は2028年まで継続」と話しています。
そう、あのデータセンターが、今また我々をあれやこれや苦しめようとしているわけです。ハードドライブはSSDよりもコストパフォーマンスとストレージ効率に優れているため、WDのクラウドストレージサービスは完全にHDD中心。
これを企業向けに販売するビジネスが、WDの総収益の89%。我々のような個人顧客から得られる収益はわずか5%ですから、同社にとってどちらに価値があるか、は火を見るより明らかです。
サブスクを回避するための手段がまたひとつ奪われたのは悔しいかもしれませんが、WDやその競合が「文句があるならどうぞご勝手に」と言わんばかりの姿勢でいられるのも、今の経済システムを鑑みれば無理からぬことかもしれません。私たちはそういう社会に縛られているのです。
画像の荒いコンサート動画や2000年代イギリスで人気だった“Da Ali G Show”のような映像ファイルは(HBOで放送されたのに、Maxでの配信はナシ)、大金をバラまいてバブル崩壊を先延ばしにしようとする少数企業にとって、永遠に優先順位が低いままなのです。
データ容量を整理してスペースを空け始めるか、「AI一色の未来」というビジョンは実現不可能だと彼らに理解させるか。その選択は、あなたに委ねられています。