ASUSとGoProのコラボノートPC。価格は強気の約65万円

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

Asusのクリエイター向け「ProArt」シリーズより、2in1ノートPCの新モデル「ProArt GoPro Edition (PX13 | HN7306)」が登場しました。

特筆すべきは、アクションカメラの代表格、GoProとコラボレーションモデルということ。64万9800円というびっくり価格ですが、GoPro本体は付属しません。

実際にレビューした米GizmodoのKyle Barr氏は、それでもこのモデルを選びたくなる理由があると結論づけています。

ProArt GoPro Edition(PX13 | HN7306)

長所

・頑丈なつくりと独特なデザイン

・シャープの有機ELディスプレイ

・優れたパフォーマンス

・128GBの大容量メモリ

・豊富なポート

短所

・リフレッシュレートの制限

・画面が暗い

・スピーカーの音がこもっている

・GoProの統合はサブスクリプションに紐づけられている

・高価格

128GBの大容量メモリ

堅牢な作りの「ProArt GoPro Edition」は、プロセッサーにAMDのRyzen AI Max+ 395チップと大容量の128GBメモリを搭載し、デスクトップ用のパフォーマンスに匹敵する非常に優れたグラフィック性能を備えています。さらにAsusは一歩踏み込み、グラフィックスメモリには最大96GBまで割り当てられるようにしており、このチップの性能を限界まで引き出せるようになっています。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

約65万円という価格はやや驚きですが、現在はメモリやSSDの価格が高騰しており、32GBのRAMを搭載したノートPCですら40万円以上することが珍しくありません。GoProブランドの付かない「ProArt PX13」モデルは、RAMが64GBしかないにもかかわらず価格は50万円。そう考えると、このスペックで65万円は納得の価格と言えそうです。

一方、いまひとつなノートPCケースや、ほとんど意味のないGoProボタンがこのノートPCの足を引っ張り気味ですが、それでもノートPC全体の出来を損なうほどではありません。溝の入ったやや風変わりでスポーティな天板デザインが嫌いでなければ、このモデルほど大胆な13インチノートPCはこれ以外にないのでは。

美しいOLED、画面は暗め

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

このノートPCは鮮やかなOLEDスクリーンを備えていますが、他の13インチデバイスと比較して特別明るいというわけではありません。AsusのLumina OLEDディスプレイを採用しており、深い黒も映し出せる優れたコントラストのおかげで、見た目は非常にクリアです。Asusは最大500ニトのピーク輝度をうたっていますが、実際には、暗めの室内環境で快適に使うためには画面の明るさを最大まで上げる必要があると感じました。

さらに厄介なのは、リフレッシュレートが60Hzに制限されている点。このPCでゲームをするつもりなら、これは特に不満に感じるでしょう。一方、2層の有機ELを重ねたタンデムOLEDを搭載するDellのXPS 14は、全体的にずっと明るく、屋外での使用にも十分対応できました。

音質はちょっと貧弱

クリエイター向けノートPCである以上、音質もそれなりに期待できると思うかもしれません。しかし、実際に下向きに配置された2つのスピーカーから聞こえてきた音は、ややこもった印象でした。わずかに金属的な響きもあり、Netflixを観るだけでも、ややチープな音質に感じました。もし映像だけでなく音声の編集にも使うつもりなら、手元に質の良いヘッドホンを用意しておくことをおすすめします。

また、このノートPCをより負荷の高い作業に使う場合、ファンの音がかなり大きくなることも伝えておかねばなりません。屋外での編集作業ならあまり気にならないかもしれませんが。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

そういった点も考慮してか、Asusは約65万円という価格に見合ういくつかの付属品を同梱しています。「ProArt GoPro Edition」には、専用のハードケースやワイヤレス充電ケース付きのAsus製スタイラスペンなどが付属します。ただし残念ながら、このペンをノートPC本体に装着しておく場所はなく、すべてケースにまとめて収納せざるを得ません。

ハードケースはカメラを持ち運ぶにはやや不安

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

この専用のハードケースは、外側にバンジーコード、内部には半ダースほどのゴム製ストラップが備えられています。硬質の背面パネル付きのラップトップカバーには、PC本体を差し込めるフラップが付いており、ケースをそのまま簡易的な作業台のように使うこともできます。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

とはいえ、もしこれをカメラ機材を収納するためのバッグだとするなら、出来はかなり物足りないと感じます。筆者は手持ちのGoPro Hero 12 BlackとGoPro Hero、付属のAsus Pen 3.0(充電パッド付き)をハードケースに収納してみました。さらに200Wの充電アダプターもジッパー付きポーチにギリギリ収めることができましたが、移動中にカメラの1台が中で外れてしまいました。頑丈なカメラなので問題はなかったですが、機材を固定する方法はもっと良いものがあったはずだと思います。たとえば、GoPro用マウントを入れるスペースや、カメラレンズを保護できる仕組みがほしかったです。

これほど頑丈なノートPCは他にない

外出先で動画編集をするためのノートPCには、ある程度の堅牢性が求められます。その点については問題なし。黒いリッジを追加したことで、もともと頑丈だった筐体はさらに強固に。最新のProArtシリーズは、AsusのROG Zephyrusシリーズの基本レイアウトをベースにしているため、発熱の大きい処理にも対応できる構造になっており、ポート類も豊富に備えています。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

本体の左右には、それぞれ1基ずつThunderbolt 5対応のUSB-Cポートが配置されています。さらに、HDMIポートとUSB-Aポート、そして付属の200W電源アダプター用の専用充電ポート、右側にはmicroSDカードスロットも備わっています。このスロットは単にカードを差し込むタイプではなく、多くのアクションカメラで見られるクリック式の機構を採用しており、カードが筐体とフラットに収まります。小さな点ですが、クリエイター向けデバイスとしては非常に嬉しい気配りです。

「ProArt GoPro Edition」には、さまざまな機能が搭載されていますが、中には全体のデザインにあまり貢献していないものもあります。たとえば、F8キーにあるGoPro専用ホットキー。このキーを押すと、デフォルトではGoPro Playerアプリが起動します。なお、このアプリは最初からインストールされているわけではありません。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

この角張ったキーボードデザインは、2年前にAsusがROG Zephyrus G14で初めて採用して以来、筆者が気に入っているポイントのひとつです。トラックパッドには「DialPad」機能が搭載されており、対応する動画編集アプリでは映像のスクロール操作などに役立ちます。本体の厚さは後部で17.7mmと、最薄クラスのノートPCではありませんが、重量は約1.4kgと十分軽い。ケースの有無に関わらず、このパワフルなマシンならどこへでも持ち歩きたいと思えます。

圧倒的なGPU性能

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

これは一般ユーザー向けのPCではないし、「クリスマスにもらったGoProで動画編集をしてみたい」と思っている程度の人向けでもありません。1台のノートPCで多くのことをこなすつもりの人のためのPCです。128GBもの大容量メモリがあれば、このサイズのデバイスとしては非常に幅広い用途に対応できます。

16コアのAMD「Ryzen AI Max+ 395」チップは、単一のSoC(System on a Chip)でGPU性能を重視するチップの中でも、非常に優れた存在です。デフォルト設定では、GPUに割り当てられるRAMはわずか4GBで、残りはCPU用として使われます。MyAsusアプリの「デバイス設定」には小さな設定項目があり、動作モードを変更したりGPU用メモリの割り当てを調整したりできます。ただし、メモリの割り当てを変更するには、ノートPCを再起動する必要あり。

「推奨」設定を選ぶと、メモリの半分の64GBがGPU用に割り当てられます。通常の作業ならこの設定で十分でしょう。しかし、このデバイスでゲームをしたり、重い3Dレンダリング処理を行なったりする場合には、最大96GBまでGPUに割り当てることも可能です。

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CPU性能に関して言えば、AMDの最上位Ryzen AI Max 300シリーズは、Geekbench 6のマルチコアおよびシングルコアテストではIntelの最新モデル「Panther Lake」にやや後れを取っています。しかし、追加RAMのおかげで、Cinebench 2024や2026では、IntelのPanther Lakeや昨年のミドルレンジCPUである「Arrow Lake」を含む多くのCPUを簡単に上回る結果に。しかし、昨年のMSI Raider 18HXやLenovo Legion Pro 7iのような16〜18インチの本格的ゲーミングノートに搭載される最強クラスのチップには及びません。

それでも、この13インチノートPCは3Dアプリケーションでは非常にタフです。3DMarkの「Speed Way」や「Steel Nomad」テストでは、RTX 5070 GPUを搭載したFramework 16ノートPCと比べても、スコア差はわずか数百ポイント程度。これは96GBのRAMをGPUに割り当て、電源接続した状態での結果です。また、通常はCPU負荷が高い3DMark「Time Spy」テストでも、トップクラスの結果を出しています。

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さて、このノートPCでゲームはできるのか? 答えはイエス。

複数の負荷の高いゲームでも、ノートPCのフル解像度である2,880×1,800ピクセルでプレイ可能なフレームレートを実現します。AMDのFSRのようなアップスケーリング技術を使えば、『Cyberpunk 2077』を「Ray Tracing Low」設定で43fps程度まで出せます。外出先でのゲーム用途でも、ノートPCの限界まで性能を引き出せば、多くの重量級タイトルを十分楽しめるでしょう。

GoPro信者向けに作られたソフトウェア

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

このPCの編集アプリはDJIやInsta360で撮影したファイルには対応していません。もっとも、競合他社の動画を自社の編集アプリで扱えるようにするはずがない、というのはある意味当然のことなのですが。筆者は、DJIのOsmo 360やInsta360 Go Ultraなど、複数ブランドのカメラを使うので、この点は考慮すべきだと感じました。

Asusは、このノートPCの購入者に対して、StoryCubeアプリのいくつかの特別機能を使わせたいのでないでしょうか。StoryCubeはProArt専用のソフトウェアで、大量の映像素材を見つけたり整理したりするのを簡単にすることを目的としています。ProArt GoPro Editionの登場に合わせて、Asusは360度コンテンツを専用の動画アプリを起動せずに閲覧できる機能を追加しました。表示できるのはGoProの360度映像だけ。Osmo 360で撮影した特殊なLRFファイルは読み込めません。

このノートPCにはGoProの「Premium+」サブスクリプションの6ヶ月利用権が付属します。これを使えば、撮影した映像を自動的にクラウドへアップロードすることが可能に。StoryCubeはそのクラウドサーバーに接続し、そこから映像を直接ノートPCに取り込むこともできます。SDカードをノートPCに差し込む手間を省きたい人には便利でしょう。ただし、動画編集をする人にとって、内蔵の1TB SSDが十分とはとても思えません。多くの場合は外付けドライブを使うことになるだろうし、その場合はクラウドを経由するより、自分で直接データをコピーした方がずっと簡単だと思います。

GoProブランドではなく、スペックでこのノートPCを選ぶべき

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Image: Raymond Wong / Gizmodo

これはクリエイター向けのノートPCなので、筆者はGoProユーザーらしい使い方を試してみることに。編集部にあるさまざまなカメラから映像素材を集め、SNS用の短いクリップをいくつか作ってみました。動画編集をしていると、バッテリーは約1時間半で100%から50%程度まで減少。なお、画面の明るさは最大でした。

また、このノートPCは待機状態でも比較的バッテリーを消費します。動画編集のあとに画面を閉じてバッグに入れておいたところ、24時間後にはバッテリーが10%減っていました。トータルでは、動画編集と書き出し作業を続けた場合、約3時間程度が限界だと思われます。ブラウジングやメール、記事執筆といった普段の作業なら、4〜5時間ほどの連続で使うことができるでしょう。

このPCのバッテリーは、ほとんどの用途ではまずまずといったところ。ただし、MacBookやIntelの最新Panther Lake搭載ノートPCと同レベルというわけではありません。要は、このノートPCを選ぶ理由はデザインとパフォーマンスということになる。個人的には、このノートPCの性能はかなり気に入っています。GoProのロゴを無視してしまえば、ここ数ヶ月で触ったノートPCの中でも特に印象的で大胆なデザインの1台です。約65万円もするノートPCを買うなら、やはり見た目も妥協できませんよね。

Source: ASUS

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