MacBook Neo、廉価版ノートPC界隈ではトップクラス。ライバルっている?

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

Apple(アップル)初となるバジェット(廉価版)ノートパソコン、MacBook Neo。日本では9万9800円から。Apple端末として低価格を実現するために切り捨てたものは多々あるものの、ライト作業向けには十分で、これでいい・これがいいという人も少なくないかと(そもそも、昨今のパソコンはスペック高すぎですし)。

ニューヨークの発表会に参加していた米Gizmodo編集部は、発表直後に実機を触り、外観と触り心地だけなら高位機種に引けをとらないと語っていました。が、今度は実機をしっかりレビュー、中身も含めて考えてみました。結果、バジェット分野の中ではトップクラスという結論に。

以下、米GizmodoによるMacBook Neoレビューです。


599ドルのMacBook NeoはAppleデザインの最高峰…ではありません。最高峰を目指すには安すぎます。ガジェット・パソコン好きがメモリに大ブーイングしているものの、多くの普通の人にとっては十分かもしれません。

MacBook Neoは、端末代を節約したいAppleユーザー向けのバジェット端末。不景気の昨今、1ドルでも安いほうが消費者はうれしいのです。

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しかし、理由のない安さはありません。チップ以外でMacBook Neo安価の理由は、容量256GB・メモリ8GBという制限。メモリまたは容量だけをアップグレードするオプションは、購入前も後もなし。学生なら、学割利用でこのベースモデルが499ドルになるので、これが今市場で最もお買い得なモデルと言ってよさそう。

アップグレードオプションなしと言いましたが、キーボードは選択肢があり、Touch ID搭載キーボードを選ぶと容量も自動で512GBにアップグレードされます。この場合699ドル(日本では11万4800円)。どちらのパターンも搭載チップは同じA18 Proです。通常MacBookに搭載されるMシリーズチップや、インテルやAMDの中高位チップと比較すると、高負荷のタスク処理は苦手。ただ、ウェブ観覧やストリーミング動画視聴が主な使用という人には問題なし。

発表後の消費者やメディアのリアクションを見れば、MacBook Neoはここ数年でもっとも大きなリリースです。

うがった味方をすれば、Appleエコシステムの中へと誘い込むための手に取りやすい端末とも言えますね。ストレージが大きくないので、iCloudを使うことになる人も多そうですし。

MacBook Neoの使用想定・使用感は最近のiPhone。気になるのは、A18 Proチップがこれからどこまで持つか、何年現役チップとして仕事できるかですが、これはちょっと予想がつきません。

見て触るだけなら他のMacBookと同じ

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Appleから編集部に届いたレビュー端末はベースモデル。Touch IDがないので、パスワードの入力が面倒に感じますが、生体データをテック企業に渡すことに抵抗がある人も少なくないので、エントリーモデルならなくてもいい機能なのかも。

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シルバー・インディゴ・ブラッシュ・シトラスと4色展開ですが、たぶん多くの人がせっかくならとブラッシュかシトラスを選ぶ気がします。僕個人としてはシトラスが一番好きでしたが、レビュー端末はブラッシュでした。これ、光の加減ではシルバーにも見えるライトピンク。キーボードの色がマッチしているところも好き。タイピングしているうちに、手の油分のせいか、キーボードがよりピンクになってきた気がします…。もっとピンクに染め上げたい!という人は、macOS 26 TahoeがUIを色合わせしてくれます。

MacBook Neoをレビューする直前まで、M5 Maxチップ搭載の新型MacBook Proをレビューしていたので、今のAppleの一番上と下を続けて体験したことになります。MacBook Proの後にMacBook Neoを触っても、チープだなとは感じませんでした。これは、アルミ素材なのと慣れ親しんだMagic Keyboardが同じだから。触るだけなら、Proと比べて軽くてコンパクトでピンクになっただけという感想です。ファン非搭載ですが、とくに端末が熱くなることもなし。

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ただし、よーく見ると低価格のために削られた部分が見えてきます。慣れ親しんだキーボードですが、バックライトなし。これ、人によっては見にくいと感じるので注意。端末裏の四隅についているブリッジ?滑り止め?、あれが透明のプラスチック素材になっています。ゆえに、中のネジが見えます。Appleいわく、MacBook Neoは他のMacBook(底面を8つのネジで留めてある)よりも修理しやすいといいますが、これユーザーが修理できるわけではないので、自分で外すのはダメ。SSDやメモリを交換はできません。

あと、安さと軽さと薄さは比例しません。MacBook Airの重量は、Neoと同じ1.23kgですが、若干薄くなっています。

3つの妥協点

iPhone用チップのA18 Proを搭載以外にも、低価格化のために端末全体でMacBook Neoは主に3つの調整が入っています。それは、トラックパッド、外部モニター接続、そして端子の数。

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トラックパッドは、他のMacBookが感圧式なのに対し、Neoは機械式。前者は、パッドに触れたことを検出し、ハプティクスフィードバックでクリック感を出します。一方で、後者の機械式は物理的にカチっと押し込みます

外部モニター接続は最大4K、リフレッシュレート60Hzまで。つまり、もしNeoユーザーがStudio Display XDRに繋げちゃうと、5K&120HzというSutdio Diaplayの力を持て余すことになります。

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安価で削られたなとかなり感じたのは、端子。NeoはUSB-Cポートが2つ(USB 3とUSB 2)だけなんです。あとは3.5mmイヤホンジャック。どちらのUSB-Cポートでも充電可能ですが、USB 2の方はやっぱり遅いですね…。マウス、キーボード、セカンドモニターなど、有線で繋げる数に限りがある上、充電となると差し替えが忙しそう。

Macユーザーには見慣れたスクリーン

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スクリーンは、Appleユーザーならど定番。Neoの13インチ画面はLiquid Retinaディスプレイ、IPS液晶です。解像度は2408×1506。

他のMacBookと比較すると、近いのは13.6インチのMacBook Air。ただ、Airの方が解像度が少し高く、明るさや色味を自動調整してくれるTrue Tone機能にも対応しています。しかし、大事なのはユーザーにどう見えるか。それで言うと、MacBook NeoとMacBook Airの画面、少なくとも僕は差を感じませんでした。横に並べてよーく見れば、色味や解像度の違いはわかりますけどね。でも、横に並べてよーく見ることなんてないですよね。

Neoの画面の輝度は500nits。屋内のオフィス環境では問題なし、屋外では若干見づらいものの仕事はできます。直射日光は少々キツい。

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他のMacBookと比べると、ベゼルは太め。なので、カメラノッチなしで、ベゼル内に1080pウェブカメラが収まっています。で、このカメラ、センターステージ(ユーザーが画面中心にくるようカメラがトラッキングしてくれる)非対応です。デスクビュー(机の上とユーザーを同時に表示できる)もないです。まぁ、どちらも便利機能ではあるものの、ないと致命傷ということはありません。

サウンドも問題なし!

MacBook Neoにおいて個人的に大正解と言いたいのは、オーディオ面。2Wのスピーカーを左右に2基配置、それぞれサブウーファーあり。音量こそ爆音とはなりませんが、音のバランスが非常によくクリアです。それだけで、音楽を聴いたり映画を見たりのエンタメ体験の質が上がります。

廉価版ノートPCでは、ダウンファイアリング方式(サブウーファーの振動板を床下方に向けて配置するスピーカー設置方式)が採用されることが多く、音が下向きに出るので、テーブルやらソファやらにぶつかって、音がこもって小さくなってしまいがち。もちろん、ダウンファイアリングでもDell XPS 14のようにうまいことできているやつもありますけどね。それでも、廉価版ノートならNeoの音は最高峰。圧勝でしょう。

スピーカー6基搭載のM5 Max MacBook ProとNeoで聴き比べてみました。当然そこに差はあります。Proの方がサウンドステージが広く、音も大きい。ただし、比較した上でなお、Neoの音が悪いかと言われると悪くはないんです。

パフォーマンスは想定内

何度も言いますが、MacBook Neoに搭載されているのは、iPhone 16 Proに搭載されたA18 Proチップ。なぜ、AppleはiPhone 17 ProのA19 Proチップを使わなかったのか。それは永遠の謎です。来年、再来年のMacBook Neo 2のためにとっているのでしょうか…。

MacBook NeoのA19 Proチップは、6コアCPUに5コアGPU。新型MacBook AirのM5チップが10コアCPU、8コアGPUなので、明確な差ですね。

噂の段階から不安視されていたメモリ8GB。他のMacBookがメモリ16GBスタートなので、ここにも明確な差があります。また、バッテリーがiPhoneより大きいので、より高いTDP(設計上想定される最大放熱量)でiPhoneチップを動かすことになります。

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モバイルのAチップ、パソコンのMチップですが、そのアーキテクチャはどちらもARMベースで似ていると言います。Apple曰く、iPhoneのチップを搭載しても、アプリの使用に問題はないと。レビューでの僕の体感でも、Apple純正アプリ・サードパーティアプリともに、とくに不満はありません。が、それは捌ける想定範囲でのアプリの話。A18 Proでは処理がキツイ高負荷のタスクをすると、話は変わります。ただし、Neoはライト層向けなので、そもそも高負荷タスクをする人向けではないのですけれど。

わかりやすく、Geekbench 6のベンチマークスコアを見てみましょう。MacBook Neoは、シングルコアで3,361ポイント、マルチコアで8,334ポイント。この点数、当然、Mチップ搭載のMacBookや、QualcommのSnapdragon Xチップ搭載のマシンには劣っています。が、注目すべきは、Mチップ初代のM1搭載MacBook Airにはベンチマークスコアが勝っているということ! あと、HP Laptop 14に搭載されているIntel Core 5 120Uよりも上です。

リアルタイムのグラフィックレンダリングを測る3DMarkテストでは、他のMacBookには負け。ただ、AMD Ryzen AI 7 350 CPUとRadeon 860M GPU搭載のFramework Laptop 13には勝っているんです。

まぁ、繰り返しますが、Neoはライト層向け。たぶん、3Dレンダリングとかしないんですけどね。

実際の作業をしてみると…

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ライト層向けとはいえ、簡単な写真編集なら問題なし。AppleのCreator Studio suite、Pixelmator Proを起動してみましたが、スムーズでした。もちろん、高画質画像の出力には少々時間がかかりますけどね。Adobe Lightroomで大量の画像を出力しないなら、特に問題ないかと。

他にはFinal Cut Proもライトタスクなら問題なし。ライトタスクとは、AirDrop経由でiPhoneから画像や動画を上げて、ちょい編集して、InstagramやTikTokにポストする程度。

ゲームは向きませんね。容量256GBだし。SSDを52GBにしても、まだ難しいかと。『サイバーパンク2077』『バイオハザード4』など、Apple対応のゲームタイトルは増えていますが、そもそもA18 Proチップでプレイする想定のタイトルじゃないんです。チップを考慮すると、Neoでプレイするならモバイル向けのタイトルが適切。

マルチタスクしていると、メモリ8GBを痛感します。Studio Display XDRに接続して、Chromeを2ウィンドウ(複数タブあり)開いてみましたが、これでメモリパンパンのようでラグが発生。

重くなってきたと感じた場合、僕のライフハックはmacOSのiPhoneミラーリングを利用すること。で、一部タスクをiPhoneに投げてしまう、かな。

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充電スピード…おそっ

MacBook ProやMacBook Airのように、1日充電が持つとはもちろん思っていません。廉価版の端末ってそういうことなので。それでも、16時間なら十分かと。ただ、この16時間はApple宣言で、動画ストリーミング(画面の明るさ最低)の場合。ウェブ観覧なら11時間です。なので、普通の使い方だと、仕事1日8時間は持ちません。僕のレビューだと6時間がいいところ

バッテリー関連でいうと、USB-Cポートでの充電により充電速度がまぁ遅い。20W電源アダプタとUSB-Cケーブルが同梱されていますが、これだとフル充電まで数時間かかりそう。MacBook Neoを毎日機動的に使う予定の人は、モバイルバッテリーを検討すべきかな。

総評

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見た目、触り心地、音がここまでいい廉価版ノートPCは数える程しかないかと。

今回、レビューしていていつもと違ったのは、テック部署じゃないスタッフがけっこう見にきたこと。新型MacBook AirやMacBook Proの発表は彼らの関心にはなかったものの、MacBook Neoは気になったと。彼らが質問するのは、メモリ8GBやチップに関するテクニカルな数字ではなく、ざっくりどんな感じ?ってこと。ネット見られる? ちょっとした作業いける? ピンクかわいい?って。

そもそも、メモリ8GB、SSD256GBを気にする時点で、MacBook Neoのターゲットではないんです。パソコンがいるけど、細かい数字やシステムはわからない。わからなくていい程度の作業しかしない。そんなライト層向けのノートPCであり、ライト層向けには大正解のスペックなのです。

MacBook Neoは、Apple版Chrmebookとも言われています。今なら、ライバルは同価格帯のLenovo Chromebook Plus 14やAcerのhromebook Plus Spin 514といったところでしょうか。ただ、これらにはChromeOSの制限がつきます。一方、MacBook NeoはフルmacOS。通常パソコンなら、HP Laptop 14やSamsung Galaxy Book 4 Edge PCがライバルでしょう。メモリやSSD容量では負けます。でも、それくらい。MacBook Neoのライバルと言える端末は、そもそも多くないのです。

Appleはお手頃ブランドのメーカーではありませんでした。洗練されたデザインのハードウェアを武器に、プレミアブランドとして長く君臨してきました。が、物価が上昇し、史上類い稀なるメモリ不足がおき、関税が襲いくる今、Appleは今までにない場所を開拓しはじめました。僕個人としては、そういうAppleも嫌いじゃないです。

いいところ:MacBookの質感、明るく綺麗なLCDディスプレイ、音よし、カラバリよし、絶対的価格

残念なところ:容量小さい、8GBのメモリがアプグレ不可能、そこそこ性能、充電スピードが遅い

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