M5 Max MacBook Proレビュー:5年据え置きのボディでは持て余すほど高性能

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

3月11日発売の新型MacBook Pro。新型と言っても基本は既存モデルのままに、搭載されているチップがM5チップの高位モデルであるM5 ProM5 Maxになっています。

米Gizmodoが、現在Apple(アップル)の最高位14インチノートパソコンとなるM5 Max搭載MacBook Proをレビューしました。同じボディにチップだけ最高峰だと、どうやらその力を持て余してしまうようですが…。

M5 Max搭載14インチMacBook Proは59万9800円から。M5 Proは36万9800円からとなっています。


M5 Maxチップ搭載の新型MacBook Pro。その圧倒的なパワーは太陽のようです。あまりにパワフルで、「これ、どうしよう…」と思ってしまうほど。もしかしたら、僕にはオーバースペックなのかもと圧倒されるほどです。

まず『サイバーパンク2077』を起動して、「マジか!」とつい独り言が出ました。クラッシュするかもと少々心配でしたが、その心配は無駄でした。画質は中高度でフレームレートが50fps。ちなみに、レイトレーシングありのウルトラ設定で、Appleのアップスケーリング技術MetalFXあり。この性能を出そうと思えば、インテルの最高クラスのチップにNvidia GeForce RTX 5080のディスクリートGPUを搭載したゲーミングノートが必要なはず…。

ただし、数分プレイしていると、ファンが回り出し、フレームレートも落ちましたけどね。それでもフレームレート37fpsあたりで大健闘。

これで感じたのは、M5 MaxのMacBook Proは自分自身のパワーを出しきれていないのかもということ。なぜなら、ボディは以前と同じだからです

レビュー端末の構成だと、ほぼ100万…!

圧倒的性能を手に入れるには、それなりのコストがかかります。14インチのM5 Maxは3,600ドル(日本では59万9800円)から。CPU 18コア、GPU 32コア、メモリ36GB、容量2TBです。

今回レビュー用にとAppleから送られてきたのは、ベースより上の構成オプションのもの。GPUは40コアで、メモリは128GB。あまりのパワーにたじろいだという僕の気持ちもこれならわかってもらえるかと。さらに容量4TBでディスプレイはNano-texture。この構成だと、価格は5,850ドル(日本では93万8800円)です! 銀行口座が血を吐く価格ですね。

3Dレンダリング強すぎ

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

M5 MaxのMacBook Proを簡単に説明すると、14インチではありえないほどの3Dレンダリングパワー! OpenClawなどのAIアプリを動かすならM4 Mac miniで十分と思っている人は、M5 Maxでのバイブコーディングのスピードにビビり散らかすと思います。Appleの最新かつ最高かつ最高額のチップは、与えるものすべてを超スピードで処理します。ネックは5年ほどデザイン据え置きのアルミシャーシ。なので、正確には、ボディが悲鳴を上げるまでは、超スピードで処理できます

そこまでパワフルなのはいらない…という人のために、M5チップは3段階あり、去年リリースされたM5搭載のMacBook Pro、今回リリースされたM5 Pro、今レビューしているM5 Maxとあります。16インチもあるのでオプションは豊富。

Thunderbolt 5とSSDの速さ

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

過去5年、MacBook Proを実際に目にし、触ったことがあれば、新型MacBook Proも想像しやすいかと。デザインは同じなのでね。アルミシャーシのユニボディは、品質もタフさもデザインも上々であり、ゆえにずっとコレ。目新しさはないですね。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

去年リリースのM5 MacBook Proと違い、M5 Pro/ M5 Maxでは、ポート3つがThunderbolt 4ではなく、Thunderbolt 5になっています。これによって、データ転送速度が最大120GB/秒にアップ。どのポートも充電に利用可能で、高速充電最大240Wに対応。MagSafe 3ポートでも充電可能で、30分で50%チャージ可能。そのほか、3.5mmイヤホンジャック、HDMI 2.1、フルサイズSDXCカードスロットあり。写真を撮る人間には、このカードスロットが大きな意味を持ちます(カードリーダー持って行かなくていいのは楽)。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

M4チップのMacBookにはないのは、Wi-Fi 7&Bluetooth 6対応のN1チップ。また、SSDの読み込み・書き出しスピードが最大12GB/秒で、前モデルより圧倒的に高速。動画や写真を大量に読み込む人にはうれしいアップデートです。

M5 Maxは、最大で4台の外部モニターに接続可能(6K・60Hzか4K・144Hz)。Appleの5KモニターStudio Display XDRを2台繋げば、フル画質で120Hzいけます。

細かいことですが、M5・M5 Pro・M5 Maxの順に端末が少しずつ重くなります(1.55kg・1.6lg・1.62kg)。これ、実際に手に持つと違いがわかるほど。チップ性能で重くなるのは、ファンがあるから。

スクリーンとノッチ、ずっとこれ

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

ディスプレイはLiquid Retina XDR。M5 Maxは画質3024×1964、254ppi。慣れたディスプレイなので、その明るさも知ってます。昼夜、とくに不満はありません。が、これはグレア軽減のNano-textureディスプレイだからかも。作業場所によって日光が当たる人は、検討してもいいかも。

ただ、Nano-textureありなしで比較すると、Nano-textureがマットな分、なしの艶スクリーンのほうが映像がビビッドで美しい気はします。なので、基本はNano-textureなしでいいよね

スピーカーは6基。ドルビーアトモス対応。音に不満なし。低音も、キーボード上の手のひらに若干振動を感じるほどはあります。オーディオ&ビジュアル体験でいうと、M5 Max MacBook Proはノートパソコンの最高クラス。新型Dell XPS 14のオーディも悪くないですが、全体で見るとMacBook Proのエンタメ体験が上です。

ディスプレイが同じなので、ノッチも同じです。ノッチいます。macOS 26 TahoeのLiquid Glassにこのノッチは合わないと思うのですが、います。ノッチは、12MPセンターステージ対応カメラ、1080p動画撮影のカメラのため。デスクビュー機能にも対応。

ライバルチップを圧倒

ディスクリートGPU搭載で、グラフィック性能アップか消費電力かなんて悩みは、今後どんどんなくなっていくんだと思います。

M3時代のMacBook Proは、インテルチップのMacユーザーの乗り換えが目標でした。今回のM5 Pro・M5 Maxでは、M1チップ高位機種MacBookユーザーに買い替えを検討してもらうのが狙い。M1 Maxと比較すると、M5 Maxはコードのコンパイルは2.4倍、レンダリングは5.4倍もスピーディに処理できます。

M5 Pro・M5 Maxに採用されたのは新たなFusionアーキテクチャ。CPUとGPUそれぞれのダイに分けることで、グラフィック性能を高めています。これ、インテルもPanther Lake CPUでやってますね。

新アーキテクチャで、コアの数をM4 Maxから増加。結果、今回のレビュー端末のように最大CPU 16コア、GPU 40コアとなりました。また、AI処理を高めるため、Neural Acceleratorsも搭載。ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングで、ゲームやアプリでのライティングがよりリアルに、かつスムーズに走るようになります。

これと同等にすぐれたSoCといえば、例えばAMD Ryzen AI Max+ 395とか? このチップをAsus ProArt PX13 (メモリ128GB)でレビューしていますが、M5 Maxの圧勝。Blenderのレンダリングテストでは、AMDの最高クラスAPUであるStrix Haloが26秒、M5 Maxはこれを4秒ほど上回り22秒。まさに一瞬です。

CPU性能も引けをとらず、今年Asus Zenbook Duoに搭載されリリースされたIntel Core Ultra X9 388Hの上を行きます。14インチのノートパソコンでは、M5 Maxの性能の上をいくものはないかと…。

Geekbench 6のベンチマークで、M5と比較すると、シングルコアではM5 Maxが100ポイント上。マルチコアだと、M5 Maxは7,000ポイントで、インテルの前世代Arrow LakeのCore Ultra 9 285HXチップよりも上。

GPUレンダリング性能を測るCinebench 2026のテストだと、マルチコアでM5 MaxはMD Ryzen AI Max+ 395よりも1,000ポイント以上高い結果になりました。

4Kから1080pのトランスコードを行なうHandBrakeテストでは、M5 Maxは1分を切り、これはM4チップ搭載のMacBok Airよりざっくり2倍のスピード。AMDのStric Haloよりは1分半速い結果となりました。

パフォーマンスの安定感にはちょっと不安あり?

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ゲームプレイでいうと、M5 MaxはM1 Maxよりも2.5倍パフォーマンスが向上しているといいます。

リアルタイムのグラフィック処理を測る3DMarkテストでは、ディスクリートGPU不採用のノートパソコンなら、M5 Max MacBook Proの圧勝。Steel Nomadテストのスコアは3,880。これは、RTX Pro 2000 GPU 搭載のLenovo ThinkPad P1 Gen 8より1,000ポイント上、Nvidia GeForce RTX 5070 GPU搭載のRazer Blade 14より700ポイントほど上になります。

ゲームでいえば、RTX 5080 GPUが優勝だし、これ搭載の端末の方がずっとM5 Max MacBook Proよりずっとずっと安価です。とはいえ、その性能差もだんだん縮まってきました。だからこそ、MacBook Proのデザインが、自社シリコンの発展に遅れをとっているのが残念。

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

『サイバーパンク2077』のプレイで比較すると、冒頭で述べたように、レイトレーシングありのウルトラ設定、画質2,294×1,432 で、フレームレート46fps。レイトレオーバードライブ設定(パストレーシングがオンになる)で、24fps。ただ、アップスケーリングMetalFXをオンにすると、フレームレートはかなり上がりました。

例えば、Intel Core Ultra 9 275HXとディスクリートGPUのNvidia GeForce RTX 5080を搭載するAlienware 16 Area-51だと、NvidiaのアップスケーリングDLSSありで50fpsほど。これとほぼ同等のフレームレートがシングルSoCで出せるのは、シンプルに賞賛に値します。

15分ほどプレイすると、ちょっと危うくなってきました。M5 MaxのMacBook Proが少々キツそうな音を出しています。『Total War: Warhammer III』のMirrors of Madnessテストで、3,024×1,964のウルトラ設定で、37fps。27fpsまで落ちるシーンもありました。

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右:レイトレーシングウルトラ設定で50fpsの『サイバーパンク2077』の画面。左:その数分後、同じ設定で37fpsまで落ちた『サイバーパンク2077』の画面。

気になったのは、僕のゲームテストでは熱処理ファンのスピードが、68%までしかあ上がらなかったこと。外部ポートの温度は約50度ほど、キーボードの中心部も同じくらい。サードパーティのソフトを使って手動でファンの速度を上げたところ、若干温度が下がり性能も少し戻りました。

つまり、排熱関連のハードが足を引っ張ってしまい、チップの最大性能が出せていないのでは…

とはいえ、ゲームプレイには影響なし。『バイオハザード RE:4』『バルダーズ・ゲート3』『DEATH STRANDING』を、画質3,082×1,964で(できる限り高いグラフィックス設定でアップスケーリングなし)1時間ほどプレイしましたが、性能に問題なし。『バイオハザード RE:4』では60fps、屋内シーンでは70fps出ました。『DEATH STRANDING』は80fpsほど。

バッテリー

ディスクリートGPUを選択しないノートPCには、それなりのメリットがあります。その最たるものがバッテリー持ち。AppleのMシリーズチップは業界でもバッテリー持ちに定評があり、これはM5 Pro/ M5 Maxでも同じ。

搭載されているバッテリーは72.4Wh(16インチは99.6Wh)で、バッテリー持ちはAppleいわく22時間。ただし、これは、明るさ最低限でのストリーミング動画再生テストの場合。ウェブ観覧だと14時間ほどだそう。僕がレビューした実感だと、9時間のビジネスに耐えうる感じです。ただ、画面の明るさマックスで複数ブラウザ開いて作業していると、もうちょい短い。これにApple Musicからストリーミングで曲流していると6時間ちょいという印象です。

総評

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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

14インチノートで、ここまで高性能のチップを搭載するのは見たことないレベル。全てが入った最高峰のポータブルマシンという長年の夢が叶ったのかもしれません。僕が今まで使った14インチでは、間違いなく最高性能です。

また、M5 MaxのMacBook Proで、電力喰いのディスクリートGPUはなくてもいいのかも!と初めて思えました。

ただし、あまりのスピード性能に、5年据え置きのボディがうまく作動できていない印象。ファンがもう少し仕事してくれたら、ほんとうに何にでも使えるノートになりそう。器のせいでチップが本領発揮しきれていません。

噂では、今年後半にさらにアップデートされたMacBook Proが発表されるかもしれないとかなんとか。有機ELディスプレイとか、タッチディスプレイになるとか言われています。もし次のMacBok Proで排熱デザインが変更されるなら、もしM6 Maxチップが搭載されるなら、もし有機ELが本当なら、今は待ちの姿勢でもいいかもしれません。

ただしその場合は、価格はさらにとんでもないことになるでしょうけどね…。

いいところ:40コアGPUの性能すごすぎ、メモリ128GBでスピーディ、SSDスピードもよし、スクリーンとスピーカーは安定感あり、Thunderbolt 5含むポートの種類と数よし

残念なところ:高価、パフォーマンスの安定に問題あり、スクリーンとノッチがずっとこれ

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