連携強し! DJIユーザーの360度カメラはDJI Osmo 360一択
04/13 22:00
GIZMODO

DJI初の360度カメラ「Osmo 360」。アクションカメラとして培ってきたDJIの技術力を詰めた8K動画撮影対応の360度カメラです。日本では昨年の夏に発売されており、ギズモード編集部からはカメラもソフトも高評価。一方で、米Gizmodo編集部はハードは高評価ながらもソフトにはそこそこ辛口。
一部の中国メーカー製品に輸入規制のあるアメリカで、最近になってようやく入手しやすくなったというDJI Osmo 360を米Gizmodoがレビューしました。
アクションカメラ業界の昨今のトレンドといえば360度カメラ。8K動画撮影(50fps)ができるDJI Osmo 360は、360度カメラで最もポピュラーなInsta360を除けばベストカメラかもしれません。というのも、専用の編集ソフトがビミョーに感じたから(後述します)。
発売から1年近く経過してしまったものの、輸入規制のあるアメリカで最近ようやくAmazonなどでも入手できるようになってきたので(アメリカでは、まだDJIから直接購入はできない)、今更ながらレビューします。
DJI Osmo 360を選ぶ最大の理由

360度カメラといえば、まずInsta360のX5とかX4 Airがメジャー。GoproにもMax2というモデルがあります。これらのプロダクトではなく、DJIの360度カメラを選ぶ最大の理由があるとしたら何か。それはすでにDJIユーザーだから。
DJIのカメラギアをすでに使用している人には慣れ親しんだシステム。なにより、DJIのワイヤレスマイクをすでに持っているなら、Osmo 360以外の選択肢はないと言ってもいいかと。その理由は、連携がすっごく簡単にできるので、追加アイテムとして手持ちのギア環境にうまくハマるからです。
基本のき

DJI製品に限らず、アクションカメラを使ったことがある人であれば、Osmo 360の使い方に難しいところはないはず。直感的にこれはあれだなとわかると思います。
一方で、初めてアクションカメラを触るという人でも、操作ボタンの数はそう多くないので、すぐに慣れることができるレベル。
8K動画撮影が可能で、フレームレートは最大50fps。バッテリーもちを考えると、8K撮影なら30fpsあたりが無難でしょう。フレームレートが高い設定があるのは、スローモーション効果を見越してのこと。スローモーションの他にも、120MPの360度写真、パノラマ動画、SuperNightという暗所撮影モード、縦型のセルフィーモード、タイムラプスモードと機能は多いです。
また、ボルテックス回転ハンドル(別売り)と一緒に使うVortexモードも。DJIのマウントも、最近ではGoProのようなクイックリリース型に対応しています。

360度カメラは、搭載された2つのレンズから動画を撮影し、それをくっつけることで球体のどくとくな映像を生み出します。このくっつける作業をする際に、ソフトが映像からカメラ自身とセルフィースティックを消し去ってくれます。
ゆえに、1人でスティックを持って撮影する場合、編集過程で手や腕付近に微妙な歪みがでることもあります。カメラを自分からある程度は離すのが、うまく360度撮影をするためのコツです。
DJIマイクとの相性抜群

DJI Osmo 360はDJI製品なので、当然DJIエコシステムの内部にあり、DJI製品との相性よし。
たとえば、DJIのマイク製品であるDJI Mic 3やDJI Mic Miniだと、カメラ搭載の2インチタッチスクリーンのドロップダウンメニューから同期するだけ。Mic Miniなんてケースから出すだけでペアリングできてしまう手軽さ。これ、撮影の途中でも一瞬で連携できるので、すでにDJIマイクを持っている人からしたら、これ以上ない手軽さです。
そもそもDJIのマイクは使い勝手がいいことに定評があるので、アクションカメラ好きなら持っている人も少なくないかと。
ちなみに、Osmo 360には128GB(実際にストレージとして使えるのは105GB)の内部ストレージ容量がある点も高評価。
暗所撮影に強い
Osmo 360の最大の強みと思えるのが、その汎用性の高さ。色深度10ビット対応、D-Log M対応(編集時の色調編集で使える高ダイナミックレンジの撮影データ)。1.1インチのセンサー、F値1.9で、ダイナミックレンジは13.5ストップ。
ライバルであるInsta360 X5は、1インチと1/28インチセンサー、F値2.0で、明るさは少しOsmoが劣りますが、負けてもいません。
暗所撮影でのパフォーマンスはいかほどのものか、僕が通っているヨーロッパ武術のジムで撮影してみました。ジムは地下にあるうえ照明は蛍光灯で、アクションカメラにとって得意とは言えない環境ですが、撮影動画はとても綺麗。途中、セルフィースティックを剣で薙ぎ倒してしまったところがありますが、それ以外は暗所でも手ブレ補正が効いており、映像として十分使えるレベルにあると思いました。
暗所でも問題ないなら、当然、屋外撮影は文句なし。通勤風景を撮影してみました。8Kの美しさに間違いなし。せっかく360度撮影をするなら、5Kとか4Kに画質を落とすのは勿体無いかと。編集時までできる限りの画質を持っていけるのが魅力だと思います。
上の動画は、地下鉄シーンはD-Log Mで編集あり。また、マイクも、カメラ搭載マイクで撮った部分と同期したDJI Mic Miniで撮った部分がありますが、オーディオクオリティは聞き分けできるほど明らかです。
カメラ搭載のマイクも悪いわけではないものの、外部マイクとは明確に音質差があります。とはいえ、アクションカメラあるあるの、時速35マイル以上での移動(スノボ動画とか)では、どうしても音の歪みは発生してしまいますが。
前述した通り、同社マイク製品との同期がめちゃくちゃ簡単というのは、Vlogユーザーによっては非常にプラス。
限界を感じた編集アプリ

DJIソフトで編集作業をしようと思ったら、方法は2パターン。スマホでDJI Mimoアプリを使うか、パソコンでDJI Studioを使うかです。当然、スマホアプリはできることに限界があるのですが、ではパソコンのソフトなら使いやすいのか、というとそういうわけでもない…。
正直、映像クリップをくっつける、ネットに投稿するという作業以外では役に立たないと思うDJI Studio。Windows 11が乗ったパソコン(dGPU)、M5 Max搭載のMacBook Proの両方で編集を試してみましたが、どちらのOSでもバグがいくつか発生。
Macだとそもそも遅い。動画を読み込みタイムラインに載せると動作が重くなり、あれこれ設定ができるようになるまで無駄なクリックタイムが数分間も発生。それに、プレイヤーに読み込ませるのもちょっとタイムラグがありました。
音楽やフィルター、トランジション(10パターンしかない)追加などはできますが、そもそもできることは多くありません。
タイムライン上の編集も同じで、チャンネルの異なるクリップを重ねるとか、オーディオトラックだけ切り出すとか、Adobe PremiereやFinal Cut Proで簡単にできることができません。
露光や色温度は調整可能、DJIの色調モードD-LOG M LUTを利用可能。ただし、暗所撮影の映像でカラーリカバリーモードを発動すると、全体がグレーがかってしまう難点あり。
暗所撮影自体は強いのですが、その編集は得意ではないのです。
動画編集は僕自身も得意分野ではないので、そもそもこだわりがあるタイプでもないのですが、それでもDJI Studioでやってても時間の無駄かな、と思うほどには使いづらかったです。

一方で、スマホで使うDJI Mimoの方はだいぶマシ。ただし、それもInstagramのリールやTikTokにソッコーでアップロードするのには使えるという程度の話。
特に使い勝手の悪さを感じたのは、複数のクリップを一緒に編集できないこと。一旦、別のアプリに出力してクリップを繋げて、1つのクリップにしてからじゃないと編集できない。この不便さはなんとかしてほしいものです。
結局、Adobe Premiereで編集するのがメジャーであり、DJIにはそうした用途向けの「Reframe」というプラグインがあります。
予備バッテリーは必携

DJIいわく「30fpsでの8K撮影は連続100分いける」とのこと。が、実際レビューすると…これビミョーかも。省エネモードである「Endurance」発動なしでは、バッテリーもち1時間程度がいいところかなと。フレームレートを50fpsにあげちゃうと30分くらいです。
レビューでは、バッテリーパックが3つついてきたので撮影は問題なし。裏を返せば、予備バッテリーは必須ということです。
総評
DJIユーザーにとって1番使いやすい360度カメラ。残念なのは、アメリカでは、Insta360やGoProのように手軽に店頭で手に取ることができないこと(日本は問題なし、DJI直販もあります)。
それでも、すでにDJI製品で動画撮影をしている人にとってはOsmo 360はこれ以上ない追加アイテムになると思います。
いいところ:8K画質のよさ、暗所撮影がとくい、使いやすい、DJIマイクとの連携よし
残念なところ:編集ソフトがビミョー、バッテリーもち短い