佐藤隆紀さんが菊田一夫演劇賞を受賞!「バレエの先生からの厳しい言葉〈苦悩しているフランツに見えない〉で8キロのダイエット!魅せ場のロングトーン誕生秘話も」

(写真提供:SL-Company)
演劇界で活躍した人を表彰する「第51回菊田一夫演劇賞」が22日発表され、LE VELVETSの佐藤隆紀さんが「ジキル&ハイド」「エリザベート」の演技で演劇賞を受賞しました。そこで今回は、佐藤さんが芸能生活を振り返った2023年の記事を再配信します。
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男性ヴォーカルグループLE VELVETS。
クラシックをベースにジャンルという垣根を取り払い、音楽として楽しんでもらおうというグループでテノールを務める佐藤隆紀さんが、4月29日に行われる「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2023」に出演する。世界中で愛されるディズニーから生まれたたくさんの名曲を、ディズニーに縁のあるアーティスト(フレンズオブディズニー)が歌い上げるというぜいたくな舞台への参加は、佐藤さんにとってひとつの夢の実現だという。
LE VELVETSが結成15周年を迎え、同時に佐藤さん自身の芸能生活も15周年を数える記念すべき年、昨年に続き、この舞台への出演が決まった佐藤隆紀さんの舞台にかける意気込み、そして今後にかける思いとは―――。(構成◎吉田明美 撮影◎本社・奥西義和)

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【写真】コンサートでの、メンバー4人の歌唱

前編はこちら

年上メンバーに発声について意見したことも

LE VELVETS」のオーディション受験条件は「身長180㎝以上で音楽大学声楽科卒業」だけ。個性的なグループの一員となった佐藤さんは、メンバーの最年少だった。

一番上の宮原浩暢さんとは7歳違います。20代のときの7歳ってかなり差がありますよね。だから「LE VELVETS」に入った当初は、宮原さんからいろいろ発声のアドバイスをもらったりしていたんです。でも僕もずっと発声マニアだったから、発声にはプライドを持っていた。少し仲良くなったころに、宮原さんに、「僕もちょっと宮原さんの発声について気になることがあるんですけど、言ってもいいですか?」と聞いちゃったんです。

彼は僕より7歳も年上だし、芸大の声楽科で大学院まで行ってるし、それなりに実績もあってプライドも持ってるわけで、一瞬「ん?」となったみたいなんですけど、僕の発言に対してひるまずに「僕もうまくなりたいから聞くよ」と言ってくれて、それで言ってみたら「なるほど」と実行してくれて…というやりとりができたときに、このグループはいいなと思ったんです。一番年上の人が真のプライドを持っているからこそ、こういう接し方をしてくれるんだと、このグループのことを大好きと思えた。それがずっと続いています。

「LE VELVETS」にはリーダーがいないのですが、宮原さんの、決してえらぶることのないやさしさと、最高のステージを届けたいというメンバーの気持ちが一致していれば、お互いのいいところを重ね合って出していける。それでずっと続いていくと思っています。

正直にいうと、心が折れそうになったことは一度や二度ではありません。でもそんな僕たちをファンの方々が変わらず応援してくれた。これは力になりましたね。

「心が折れそうになったことは一度や二度ではない」と語る佐藤さん(写真撮影:本社・奥西義和)

ロングトーンを研究。発声マニアの性

そして15年。シュガーの愛称でたくさんのファンがつき、念願のミュージカル俳優としても確固たる地位を確立した佐藤さん。その発声理論はプロの声楽家からもアドバイスを求められるようになった。ロングトーンはコンサートでの魅せ場のひとつになっている。

ロングトーンはリハーサルのときにふざけてやったところ、当時の社長が「面白い!使える」と…。(笑)

ロングトーンもいろいろと探っていくと音量を変えずに長く続けられるポイントがあるんです。誰でもやればできることなのですが、そういうことを楽しみながら研究しているのも、発声マニアの性ですね。(笑)

ミュージカルも、探り探りです。最初のころは、クラシック出身なので、声を響かせて歌っていた。でも、共演者の城田優くんや山崎育三郎くんたちに「そんなにクラシカル調に力を入れて歌うんじゃなく、もっとリアルに語るように歌えばいいのに」と軽く言われて、ああそうかと…。で、ささやくように歌っていたら今度は演出家の小池修一郎先生に「おいおい、どうした? ちゃんと朗々と歌い上げるのが君の魅力なのに」と…。(笑) 歌い過ぎない、語り過ぎない、そのへんのバランスが難しくて、今でも課題です。

ミュージカルって、歌と言葉がうまく融合していないといけない。ストーリーの中で突然歌い始めたときに違和感があっちゃいけないんですよね。ひとつひとつ、学ばせていただいてます。

僕を大きく成長させてくれたのは「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャン役です。初めての舞台と2回目とは別人だと言われるほど、変わったと思います。1年目にうまく歌えないところ、特に高音について、周りの人に助けを求めて、すべて試してもがいて苦しんで、自分なりに発声を作っていきましたが、最後は舞台監督さんの若いころのロックをやっていたころの話がヒントになりました。
これからも、もがき続けながら、進化させていきたいです。

ロングトーンにはいつも大きなどよめきと拍手が(写真提供:SL-Company)

半年で8キロのダイエット!

昨年秋の「エリザベート」を観に来てくれたバレエの先生から「ちょっと太り過ぎじゃない?」と直球で指摘されてしまいました。「苦悩しているフランツ」に見えないと…。(笑)
それまでも実は多少気にしてはいたんですよ。でも、体重があったほうが声がよく出ると言い訳したり、「ぽっちゃりのシュガーさんも好き!」っていうファンの言葉にも甘えて(笑)目を背けていたんですね。

なにしろ僕の実家は喜多方市のラーメン店「さくら亭」、ラーメンは主食です!特にこってり系の「ラーメン二郎」が大好きでしょっちゅう食べに行ってました。
同じくラーメン好きの友人、加藤和樹くんに、実家の「さくら亭」のどんぶりをプレゼントしたらそれで二郎系のラーメンを作ってよくSNSにアップしてくれるんですよ。ありがたいことです! だから加藤くんのところにも時々その「加藤二郎」を食べに行ったりして…。そりゃ体重も増えますよね。(笑)

心を入れ替えて、当時の共演者に教えてもらった地道な腹筋を朝晩続けて、半年で8キロ落としました。そしたら人生がますます楽しくなりました。(笑)

今年37歳。立場も年齢も少しずつ上がってきたなという実感がありますが、これから先もずっと歌い続けていきたいです。

僕がとても憧れているジャコミーニというイタリア人のオペラ歌手は60代後半でも、新国立劇場の4階席まで歌声をすごい迫力で届けていました。発声の研究をつづけながら、いつかそんな風になりたいと思っています。

今年は「LE VELVETS」の15周年ということで、全国を回ります。お客様に最初から最後まで飽きずに楽しんでいただけるステージを目指して、楽しいコンサートを作っていきたいです。

その前に「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート」です。
毎日、練習に明け暮れていますが、やっぱりディズニーの曲は歌っていて楽しい!いろいろな方との共演も楽しみにしています!

終始、笑顔いっぱい、時には発声を聴かせながら全力でインタビューに答えてくれた佐藤隆紀さん。
「単に自分だけをよく見せるというのは自分のプライドではない。お客様に少しでもいい時間を味わっていただく、そのために努力することがプライド」という佐藤さんだからこそ、常に周りの人に教えを乞い、いい舞台につながるための努力を惜しまない。
「稽古場では下手だと言われてもいいんです」という佐藤さんの笑顔の中に、ゆるがない舞台人のプライドを感じた。

「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート」ではいろいろな方との共演も楽しみにしています! (写真撮影:本社・奥西義和)

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