『風、薫る』りんの妹・安役の早坂美海、連続テレビ小説初出演「見上愛さんは太陽のようでりんちゃんそのもの。役に向き合う姿勢に刺激」
06/19 08:15
婦人公論.jp

* * * * * * *
安役「信じられなかった」
『風、薫る』の主人公のオーディションを二次審査で落ちていたので、安役のお話をいただいた時には驚きました。しかも、主人公の妹という大きな役。自分が出演できるということが信じられなかったです。
放送が始まってからは、地元を歩いていると「今日のシーンよかったよ」と感想を言ってもらうこともありますし、別の撮影現場で共演者の方から声をかけていただくことも多いです。いろいろな人に届いている作品だと実感します。
<安はりんの2歳下の妹。家族のことを冷静によく見ている賢い女性で、りんを追って母の美津と共に那須から上京。看護婦養成所の寮に住むりんに代わって、環の世話をしながら暮らしていた。りんとは違い、「女の幸せは結婚にある」と信じている>

安は、すごく素直で優しい心を持っています。撮影当初の安は10代半ばくらいの設定で、私の実年齢より幼かったので、元気で明るい女の子を意識しました。セリフがない時でも、いろいろな人の発言に興味を持っていることがわかるように表情豊かにお芝居をしたんです。上京して環の面倒を見るようになってからは、守る存在ができて「お姉さん」になった部分を意識しました。
環の幼いころを演じた宮島るかちゃんは、まだ小さいので、みんなでかわいがっていました。るかちゃんは見上さんのことは「かか」って呼んでいたんですよ。次に環を演じた英茉ちゃん(7)とは一緒にゲームをしたり、シール交換したりしています。お母さんの気持ちを疑似体験しているような感じでした。
安定志向の安
安は、家族のことは大切に思っていて、環の世話に家事にと自分を犠牲にしてきました。りんのように「自分が外に出て働く」という選択肢はなくて、「早く結婚して幸せになりたい」という考え。

お母さんである美津さんのことは尊敬していて、「武家の奥さま」としての美津(水野美紀)には憧れていた。
一方で、家老だったお父さんの信右衛門(北村一輝)さんが農民になりました。さらに、信右衛門さんが亡くなってから、一ノ瀬家は厳しい暮らしをしてきたので、安定志向の安はどこかで「美津さんのようにはなりたくない」という思いも抱いていたと思っています。
人を好きになる瞬間を

<第8週では、瑞穂屋を訪れた槇村宗一と安の出会いが描かれた。環に優しくする宗一に惹かれた安。東京府の会計課に勤め、穏やかな人柄の宗一を美津も気に入り、シマケン(佐野晶哉)を通じてお見合いがセッティングされる>
最初に宗一さんと出会った時には、恋愛感情として好きというよりも人として好きという感情を抱いていました。「この人といたら幸せになれるかも」という気持ちです。宗一さんが環に優しくしてくれたから、いい人だと思った。自分を褒めてもらうよりも、自分が大切に思っている人を褒めてもらう方がうれしいですよね。
<縁談は順調に進み、顔合わせも済ませたところで安は結婚に迷い始める。「たいして話したことのない相手の家に嫁いで奥さまをするより、りんの奥さまになればいい」と考え、破談を決意。しかし、破談の話し合いの場で宗一は、「結婚はお金と子どもを男女で補い合うもの。悪く言えば利用し合うもの」と断言、安の生き方に理解を示す。それを聞いた安は、その場で宗一に恋してしまい、一転して「結婚をやめるのはやめる」と決意。槇村家に嫁いでいった>
宗一さんの人柄を知り、恋に落ちるシーンでは、人を好きになる瞬間を映像に収めてもらおうと意識しました。宗一さんの笑顔に吸い込まれて強く惹かれている様子が伝わるように、目をキラキラさせたんです。結婚話はすんなりとは進まなかったけれど、安はずっと頑張ってきたので、結婚が決まった時にはすごくうれしかったです。
虎太郎を応援したい
<安は、姉であるりんの恋愛事情に敏感だ。那須に住んでいた時には、虎太郎とりんが思い合っていることを見抜いていた。上京してからは、シマケンがりんに思いを寄せていることを指摘するような場面もあった>
安は、お姉さんを好きになる男性の気持ちにいつも気づきます。虎太郎とシマケンだったら、私は虎太郎の方が好き。虎太郎はりんのために東京に出てきて製薬会社で働きます。
好きな人を追って、そこまでできるのがすごい。人生を賭けてりんを好きでいるのが伝わってきます。小説家志望のシマケンさんに比べたら、仕事も安定しているので、私は虎太郎の恋を応援したい。
早坂美海として『風、薫る』の男性キャラクターで誰がいいか考えると、やっぱり安と同じく、宗一さんです。お仕事も安定していて落ち着いている。劇中に登場する男性は癖が強い人が多いので、優しくてスマートな宗一さんが素敵です。
太陽のような見上愛

<撮影では、安の姉であるりん役の見上愛さんとの共演シーンが多い>
見上さんは初めてお会いした時から太陽のような方でした。現場に入ると「おはよう」と見上さんの声が聞こえてくる。いつも笑っていて、明るくて、りんちゃんそのもの。役に対してこだわりを持って向き合っていて、現場できちんと自分の意見を伝えていらっしゃいます。泣きの芝居では、何カットあっても、毎回100%の力で臨んでいて、見上さんの演技に対する情熱を感じていました。見上さんから刺激を受けて、私も以前よりも自分の意見を現場で伝えるようになりました。
子どもの頃からずっと連続テレビ小説を観てきたんです。『カムカムエヴリバディ』が好きで、3人の方が3世代にわたってヒロインを務める設定が新鮮でした。いちばん憧れているのは『虎に翼』の寅子ちゃん。一生懸命頑張っているけれど、ポンコツなところがあるのも可愛い。理想のために努力する姿に惹かれました。
今、1年をかけてみんなで作品を作り上げていくという初めての経験をしています。朝ドラの主人公は、座長として周りを引っ張っていかなくちゃいけないし、プレッシャーも大きい。出演者の1人である今の私と、見上さんでは全く違う重責を担っているし、想像もつきません。でも、私も、機会があれば見上さんの背中を追って主人公に挑戦したいです。