王貞治氏にとって長嶋茂雄さんは「超普通の人」 寝坊した際に救ってくれた秘話も明かす
06/08 18:45
3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの通夜が7日に、告別式が8日に東京・品川の桐ヶ谷斎場「雲」で執り行われた。8日の告別式で現役時代、長嶋さんと「ON砲」を結成した“盟友”王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)は弔辞で、寝坊した際に長嶋さんが救ってくれた秘話を披露し「超普通の人でした」と表現。「人間味のある素晴らしい人だったんだというところも知ってもらいたかった」と意図を明かした。
どんな言葉でも的確に表現できない「ON砲」の関係性が、弔辞の言葉ににじみ出た。王さんは「あなたは日本の健康優良児でした。存在そのものが、日本人の誇りでした」と語りかけ、「そんなあなたに私は迷惑ばかりかけていました」と切り出した。入団した最初の年に宮崎キャンプで2人は同部屋に。「世間知らずの私は、部屋の片付け、布団の上げ下げなどすることもできず、挙げ句に、寝相は悪いは、いびきはかくはで、迷惑をかけっぱなしだったようで、1週間で部屋を替えさせられましたが、その間、長嶋さんは一言も文句を言いませんでした」と回想した。
さらに米ベロビーチでキャンプをした際、ロサンゼルで1泊してからフロリダに移動する日の朝に、寝坊したことを告白。「長嶋さんが天窓から部屋に入ってくれて、私を起こし、荷物をまとめてくれたので、飛行機に乗り遅れることはなく済んだこともありました」と懐かしんだ。
続けて「私にとっては、長嶋さんは超普通の人でした。長嶋さんは私に普通人として接してくれました。長嶋さんには頭が上がりませんでした。足を向けて寝られない人でした」と話し「大恩人」と表現した。
告別式後、寝坊したエピソードを話した理由を問われた王氏は「表にも出てなかったですしね、だからこそ、長嶋さんが偶像的になっているけれど、実際はそういう、人間味の多い素晴らしい人だったんだ、というところもね、私はちょっと皆さんに知っていただきたかったんで」と明かした。