関東第一が大阪桐蔭と創立100周年記念試合 3点差逆転勝ちに超満員の江戸川熱狂 勝負の夏へ得た学びとは
06/08 19:22
昨夏の甲子園で準優勝した関東第一(東京)の創立100周年記念親善試合が8日、JPアセット江戸川にて大阪桐蔭とのWヘッダーで行われ、5―3、0―1と1勝1敗の結果に終わった。第1試合では3点ビハインドを逆転勝ち。超満員に膨れあがった客席からは、大きな拍手が注がれた。
劣勢にも誰一人あきらめていない。そんな関東第一の熱き魂を、「3番・遊撃」のキャプテン・越後駿祐(3年)が形にした。3点を追う4回1死だ。大阪桐蔭の主将も務めるプロ注目の最速149キロ右腕・中野大虎(だいと・3年)の内角ストレートをフルスイング。打球は左翼フェンスを越えた。高校通算9発は、反撃ののろしを上げるソロアーチとなった。
「強い相手に、自分が出せるものをしっかり出したいと準備してきた。その中でああいう結果になってくれたのは良かった。ちゃんと捉えた感じ。いい感覚でした」
内野席は超満員。外野までぎっしり埋まった観衆は大熱狂。流れを呼び込むと、5回には2死走者なしから四球をきっかけに4連打と打線が繋がり、4点で逆転。越後も決勝の左前2点打を放ち、3打点の活躍を見せた。完投した中野に「ストレートも変化球もレベルの高い投手。打ち崩すのが難しい投手だった。今後もそういう投手と当たっていくと思う。初回からしっかり打てるように、全員で意識していきたい」と敬意を表した。
チームは昨秋の東京都大会3回戦で帝京に2-3で惜敗。今春の東京都大会1回戦でも東亜学園に4-5で競り負け、ノーシードでこの夏の東東京を戦う。越後は力を込めた。
「秋も春も結果が出ていないので、強い相手となった時に、しっかり自分たちの野球をできるように、特に意識しています」
試合後には米沢貴光監督から「100%ある力を120%じゃなくて、自分たちがあるものだけを100%、出し切るように」との話があった。普段通りの力を出せば、自ずと結果はついてくる-。夏の前に、確認できたことは大きい。
大阪桐蔭との対戦に「相手を見て学ぶところがたくさんある。良い経験になった。2ストライクに追い込まれてからのバッティングは、大阪桐蔭さんが食らいついてきて、守る側として苦しかった。そういうところをどんどんマネして、吸収していきたい」と越後。多くの学びを得たメモリアルゲーム。全てを糧にして、最後の夏に突き進む。(加藤 弘士)