【高校野球】甲子園出場決定から一夜明けた聖隷クリストファーのエース高部陸 県を勝ち抜いた指名打者制に「投手専念できてめちゃ楽だった」

優勝から一夜明けた聖隷の高部(左から3人目)らメンバーは軽いメニューをこなした(カメラ・塩沢 武士)

 第108回全国高校野球選手権静岡大会で2年連続2度目の優勝を決めた聖隷クリストファーの選手たちは県制覇から一夜明けた28日、同校で軽く汗を流した。連覇の立役者で、最速150キロ左腕の高部陸(3年)は軽いジョギングとストレッチを行い、ノースロー調整で疲労を抜くことを最優先にした。「初優勝だった昨年は、なんか慌ただしかったけど、昨年よりは落ちついてます」と、リラックスした表情を見せた。

 存在感を見せつけた静岡大会だった。高部は全6試合に登板し、36回2/3を投げて4失点(自責点3)。防御率0・74で、奪三振率11・78。「打倒・高部」で向かってきた県内他校の挑戦を正面から受け止めて、突き返す完璧な横綱相撲で寄せ付けなかった。決勝の常葉大菊川戦でも自己最速タイの150キロをマークするなど、最後までまったく隙を与えない投球だった。

 今夏から採用された指名打者制を味方につけた。春の公式戦では大谷ルールで、投手をやりながら指名打者で打席に入った試合もあったが、今夏は途中登板した2回戦の富士宮西戦で2打席立っただけ。先発を務めた4回戦以降は投手に専念した。「打席に立ちたい思いをあったけど、守りだけに集中できて、めちゃ楽だった。打つ準備をしない分、イニング間のルーチンも取れた」。守備が終わると、ベンチに戻ってすぐ、体を冷やしてリフレッシュ。「専念できて、昨年より疲労感はなかった」と、うなずいた。

 甲子園では、ライバルとの再会も心待ちにしている。一足先に切符をつかんでいた沖縄尚学の末吉良丞(3年)にはSNSで、「甲子園で会えるのが楽しみだね」と、メッセージを送った。昨年、同世代で“四天王”と呼ばれた同じ左腕と「対決してみたい」と、意気込んでいる。

 早くも、気持ちは甲子園に向かっている。昨年は慣れないホテル生活で、時間をもてあました時もあった。「なかなか疲労が抜けなかったので、今年はローラーとかストレッチボードなどを持参したい。できれば、体を動かせる環境を(宿舎に)作りたい」。昨年の2回戦超えで1試合でも多く試合をしたいと望む高部が、最高の状態で甲子園のマウンドに上がるため、最善の準備を行う。