「祖国の裏切り者だ!」1試合しか投げなかったサイヤング賞投手スクバルへの批判殺到…所属タイガースのSNS投稿動画を巡ってさらに炎上騒ぎ…米サイトは「期待外れランキング1位」

 WBC決勝でベネズエラに敗れた米国代表の中で1次ラウンドの1試合にしか投げなかった昨季のサイヤング賞投手、タリク・スクバル(29)への批判が殺到している。火に油を注いだのが所属のタイガースが決勝戦のプレーボール直前にSNSに投稿していた動画。今オフにFAとなるため、剛腕代理人の黒幕説もあるが、米サイト「ファンサイデッド」は「最も期待外れだった5人のランキング」を選び、そのワースト1位にスクバルを選んだ。

 「最大の失望はスクバルだ。なぜ投げないのにユニフォームを着ているんだ?」

 スター集団を揃えながらも決勝でベネズエラに2-3で敗れた米国。そのショックは今なお収まらず、ファンの怒りの矛先は、マーク・デローサ監督や、3三振のノーヒットに終わったヤンキース、アーロン・ジャッジらに向かっているが、その中で批判が殺到しているのがア・リーグで昨季2年連続のサイヤング賞に選ばれた左腕のスクバルだ。
 スクバルは1次ラウンドの英国戦で先発、3回を投げて1失点の内容で9-1の勝利に貢献したが、その1試合だけでチームを離れた。この時点で批判が集中。本人は「これまでで最も難しい決断の一つ。再び投げるかどうかを迷っている。批判は不当だ」と釈明したが、SNSはさらに炎上。準決勝のドミニカ共和国戦を前にタイガースのキャンプ地であるフロリダ州レイクランドから嵐の中、自ら運転してチームに再合流した。だが、結局、登板せずにただベンチにいただけだった。
 そして火に油を注いだのが決勝直前に所属するタイガースが公式Xに投稿した1本の動画だ。米国代表は全員がミラノ・コルティナ五輪で金メダルを獲得したアイスホッケーの男子チームのジャージを着て球場入りしたが、そのジャージを着て球場入りしているスクバルの姿を「気合を入れていこう!」との言葉と共に投稿していたのだ。
 だが、先発は昨季メッツでメジャーデビューしたばかりのノーラン・マクリーンで2失点。8回にフィリーズのブライス・ハーパーの起死回生の2ランで同点に追いつくも登板過多を懸念するパドレスから「リードした場面だけでの起用」を要請されていた守護神のメイソン・ミラーを9回に起用できず、代わりにマウンドに立ったレッドソックスのギャレット・ウィットロックが勝ち越し点を奪われて敗戦。「気合を入れて!」球場入りしたスクバルは登板しなかった。
 SNSではまたスクバルへの批判の声が殺到した。
「スクバルが受けているヘイトは全部好きじゃないけど、この動画を投稿したのは、かなり空気を読めてないと思う」
「彼には敬意がない。もう二度と我々のUSAのユニフォームを着るな」
「祖国に対する裏切り者だ」
「最大の失望はスクバルだ。なぜ投げないのにユニフォームを着ているんだ?」
 ナ・リーグのサイ・ヤング賞のパイレーツ、ポール・スキーンズは、1次ラウンドのメキシコ戦、準決勝のドミニカ共和国戦と重要な2試合に登板して2勝をマークした。2人を対比して「スキーンズ=自国を救った男 、スクバル=自国を見捨てた臆病者」との投稿もあった。

 

 米サイト「アウトキック」も「スクバル、WBCでの振る舞いが批判される…それも当然だ」との見出しを取って、このタイガースが投稿した動画の問題をフックに厳しい批判を展開させた。
「最大の“戦犯”は、約2週間前にほんの数イニング投げただけのスクバルだ。彼の評価は信じられないほど、とんでもなく悪化した。最低レベルに落ちている」とした上で、タイガースが投稿した動画が物議を醸しだした件について触れた。
「投稿自体は大した問題ではなかったが、スクバルの表情こそが今回のWBCの米国の問題点を象徴していた。彼は自らの意思でチームを離れた。準決勝で再合流したがベンチで試合を眺めるだけだった。しかも時間に間に合わせるため、レイクランドから雷雨の中を車で来たと自慢げに語っていた。だから何だという話だ。決勝戦でも彼は試合を眺めていた。その間、ウィットロックは5日間で3度目の登板をしていた。スクバルの印象は最悪だったし、タイガースの投稿も最悪だった」
 決勝戦を中継したFOXは、何度もベンチでのスクバルの姿を抜き、「それも状況を悪化させた」という。
 またスクバルの2試合目の登板拒否の背景には今オフのFAが絡んでいることも示唆した。
「彼はタイガースとの契約最終年でスコット・ボラス氏の顧客でもあり、来季には巨額契約を手にすることが確実視されている」
 敏腕代理人のボラス氏が裏で糸を引いているのではないかの疑念で、SNSでも、「彼のエージェントが投げるのを止めさせたんだろう」との意見も散見された。すでに契約金は総額4億ドル(約632億円)は下らないとの情報も流れている。
 同サイトは対照的に昨季の奪三振王で18勝5敗、防御率2.59の数字を残したレッドソックスの左腕エース、ギャレット・クロシェが米国代表入りを拒否しながらも批判されなかったことを例に出した。
「WBCの開催時期が不適切なのも事実で誰一人としてクロシェに文句を言っていない。それは彼が最初から“全力で参加できない”と明確にしていたからだ。スクバルは中途半端な決断をして最悪の印象を残した。彼は大学のグループ課題で学期中にほとんど何もせず、発表の日だけ現れてA評価をもらおうとする学生のようなものだった」
 また米サイト「ファンサイデッド」は「WBCで敗れた米国代表の最も期待外れだったMLBスター5人のランキング」を掲載。「残念ながら勝負どころでスターたちは力を発揮できなかった。敗戦には多くの責任が分散するが、最も責任が重いのは誰なのか?それを明らかにする」とした上でワースト1位にスクバルを名指しした。

 

「あまり厳しく責めたくはない。これは難しい決断であり、特にオフに大型FAを控えた状況ではなおさらだ。だが開幕へ向けての投球プログラムに大きな影響を与えることなく、決勝トーナメントのどこかで登板できた可能性はある。しかし彼はそれを選ばなかった。その結果、決勝でMLB通算8試合先発しか経験のないマクリーンに頼ることになった。彼は悪くない投球をしたし、敗戦の大半の責任は打線にある。それでももしスクバルが先発していたら結果は変わっていたのではないかと考えずにはいられない。そして彼の苦し紛れの説明も、状況を悪化させただけだった」
 スクバルは米国代表を離れタイガースのキャンプ地へ一度戻った14日(日本時間15日)にブルージェイズとのオープン戦に先発して、5回途中まで61球を投げて3安打1失点の好投を見せた。「それだけ投げれるならなぜもう1試合投げないのか」との批判の声が出た。
 一方でこの動画を投稿したタイガースが「ブレーキをかけたのだろう」の意見もあり、「チームでディビジョンを勝ち取る必要があり、彼はそれが最優先だと知っているだけ」「スクバルが世間になんら引け目を感じることはない。彼はタイガースのために投げてワールドシリーズで勝ちたいと思っているのであって、MLBがただお金を稼ぐためにでっち上げた春季トレーニング中のエキシビショントーナメントで投げる必要はない」との擁護する声もないわけではなかった。
 ちなみに「ファンサイデッド」は「期待外れだったランキング」の2位に打率.143で終わったカブスのアレックス・ブレグマン、3位に打点ゼロのロイヤルズのショートストップ、ボビー・ウィットJr.、4位にジャッジ、5位に決勝戦で出番のなかったマリナーズ捕手の昨季60発のカル・ローリーとしている。

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