渡邉彩香が教えてくれた“ここ一番の飛ばし”で必要なこととは? 「飛距離アップしたいなら上体を起こして構えてみませんか?」

坂詰和久コーチと3年前から始めたスイング改造により、飛んで曲がらないドライバーショットを手に入れた渡邉彩香(わたなべ・あやか)。飛ばしに対する考え方も大きく変わったといいます。そこで今回は飛距離アップにつながるアドレスについて聞いてみました。

体重移動を大きくしたいからスタンスを広く

 坂詰和久コーチと3年前から始めたスイング改造により、飛んで曲がらないドライバーショットを手に入れた渡邉彩香。飛ばしに対する考え方も大きく変わったといいます。そこで今回は飛距離アップにつながるアドレスについて聞いてみました。

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 私の場合、通常のドライバーショットでもスタンスは広めですが、ここ一番でボールを飛ばしたいときは、さらに半足分ほどスタンスを広げます。なぜなら、スタンスを広くすることにより、体重移動が大きくなるからです。そのぶん、ボールに伝わるパワーも増し、飛距離アップにつながります。

飛ばしたい時は半足分右足を広げたスタンスにする。右足に65%の体重を乗せ、ボールの位置は左カカト延長線上のまま。両手の位置がハンドダウンにならないよう、上体を少し起こし気味にして構える 写真:有原裕晶

飛ばしたい時は半足分右足を広げたスタンスにする。右足に65%の体重を乗せ、ボールの位置は左カカト延長線上のまま。両手の位置がハンドダウンにならないよう、上体を少し起こし気味にして構える 写真:有原裕晶

 ボールの位置は通常と同じ左足カカトの延長線上です。したがってスタンス幅を広げるときは、右足だけを半足分右に平行移動するイメージです。スタンス幅を広げた分、アドレスでの体重配分も多少変わります。右足対左足が6:4から6.5:3.5になる感じです。

 アドレスで大切なのは両手の位置です。アベレージゴルファーが飛ばしたいときのアドレスを見ると、肩や腕に力が入り、クラブをギュッと下に抑えつけるような構えになっています。両手の位置が低いハンドダウンの構えです。この形からバックスイングを行うと、スイングアークが小さくなり、ヘッドスピードも出ません。

 飛ばしたければ、一度体をリラックスさせ、上体を少し起こした形で構えましょう。ハンドダウンの形にはならないので、スイングアークが大きくなり、ヘッドスピードもアップします。

ティーアップを少し高めにする

 飛距離アップしたいなら考え方を変えるべきです。アベレージゴルファーの場合、やたらとクラブを速く振ろうとしがちですが、それがリキみの原因となり、打ち急ぎによるミスショットにもつながります。

通常はクラウンとボールの高さをそろえるが、飛ばしたいときはクラウンからボールの上半分が飛び出す高さでティーアップし、キャリーを伸ばす 写真:有原裕晶

通常はクラウンとボールの高さをそろえるが、飛ばしたいときはクラウンからボールの上半分が飛び出す高さでティーアップし、キャリーを伸ばす 写真:有原裕晶

 遠くへ飛ばしたいときこそ、スイングアークを大きくすることを第一に考えましょう。スイングアークが大きくなればそれだけ遠心力も働き、より大きなパワーでボールをヒットできます。しかも、結果的にヘッドスピードも上がるので、間違いなく飛距離アップにつながります。

 私の場合、キャリーで飛距離を稼ぎたいので、通常よりもティーアップを少し高めにします。通常がボールの高さとクラウンの高さが同じだとしたら、飛ばしたいときはボール半個分クラウンよりも高くなるようにティーアップします。

取材協力・凾南ゴルフ倶楽部(静岡県)

【レッスン】渡邉彩香(わたなべ・あやか)

渡邉彩香(わたなべ・あやか) 写真:有原裕晶

渡邉彩香(わたなべ・あやか) 写真:有原裕晶

1993年9月19日生まれ、静岡県熱海市出身。ツアー通算5勝。国内女子ツアーでも指折りの飛ばし屋。19年と23年に2度のシード落ちを経験しているが、いずれも翌年にシード復帰。スイング改造により、飛んで曲がらないドライバーショットを手に入れた今季は、3年ぶりの優勝、さらに年間女王も狙っている。

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