軟鉄鍛造もフィッティング次第で全然違う性能になる!? 「Mizuno Pro S-3」アイアンを自分仕様に組んでもらった結果とは?
06/03 19:10
体形は人それぞれ違い、持っているパワーも異なるためスイングは千差万別です。振りやすいクラブにも違いが出るため、ヘッドやシャフトを細かく調整しなければ良い結果は望めません。そんな自分に合うベストなクラブを見つけるために役立てたいのが「フィッティング」です。今回は「ゴルフのニュース」スタッフがミズノゴルフの直営店「MIZUNO TOKYO」で同社独自の「SWING DNA」システムを使ったアイアンフィッティングを受けました。
独自の専用機器を使い、たった3球でスイング解析が完了
ラウンドをしていてトップや引っかけなど、特定のミスが頻繁に出てしまう場合、クラブが合っていない可能性があります。特に標準的なスペックに調整されたつるしのクラブをそのまま使っている人は要注意。ロフト角やライ角、シャフト長など、細かなスペックがスイングや体形に合っておらず、ミスを誘発しているかもしれないからです。
「ゴルフのニュース」スタッフのKさんは184センチの長身で、ゴルフ歴は19年。80台の平均スコアですが、アイアンでは弾道が上がりきらずにグリーンで止まらないことに悩んでいます。時にはリーディングエッジにボールが当たるトップのミスが出ることもあり、思わぬ大叩きの原因になっているといいます。
そこで今回はミズノゴルフの直営店「MIZUNO TOKYO」(東京都千代田区)で同社独自のフィッティングシステム「SWING DNA」を体験し、自分に合うアイアンを探してみました。担当してくれたのはミズノ認定クラブフィッターの山本匡志さんです。
「SWING DNA」の特徴は、専用機器を装着したクラブでたった3球打つだけでスイング解析が完了し、シャフトの挙動やタイミングの取り方など、その人が持つ特有のクセがわかることです。解析結果は8項目について各9段階で表示。山本さんは次のように分析します。
「Kさんはゴルフ歴が長いので打ち出す方向はある程度そろっていますが、弾道の高さや飛距離には違いが出ています。クラブ調整でかなり弾道が変わってくるはずです。まず(7番アイアンの)ヘッドスピードは34〜35メートル/秒ほどで標準的ですが、切り返しのテンポが速く、シャフトのしなり量は大きくなっています。ある程度重く、硬いシャフトの方がインパクトが安定するはずです」
「気になるのはインパクトのデータです。ライ角が65.5度とかなりアップライトになっていて、簡単にいうとヒールが浮いた状態でボールを打っています。Kさんの地面から手元までの高さを測ると86センチと高めで、スイング自体もクラブを縦に振る傾向が強いため、ヒールが浮いている状態です。結果、打点がトゥ寄りの下めになるのでボールが上がらないのです。リーディングエッジがしっかりボールの下まで届くようにクラブを調整していきましょう」(山本さん)
ライ角を2度アップライトにして、シャフトも長く調整
今回のフィッティングではKさんの希望でミズノの最新モデル「Mizuno Pro S-3」をベースにスペックを調整していきました。山本さんがオススメしてくれたのはライ角とシャフト長の調整です。
「ミズノの試打キットでは最大4度までヘッドのライ角をアップライトに調整することが可能です。インパクトのデータを見ると目いっぱいの4度でも良さそうでしたが、アップライトなヘッドはボールが左に曲がりやすくもなります。バランスを見て、ライ角は2度アップライトに調整しました。その上でご提案したのがシャフト長を0.25インチ伸ばすことです。シャフトが長くなれば手元の位置が高くなり、ライ角をアップライトにする効果があります」(山本さん)
2つの調整を加えたクラブをKさんが打つと、フェースセンターでインパクトできるようになりました。また、ソールの当たり具合がチェックできる「ライボード」を使ってみると、ソール全体が地面に当たるようになっていました。
「『ライボード』を使うと、ソールの当たり方が視覚的にチェックできるので、変化がわかりやすいですね。アップライトに調整したクラブは顔の見え方も良くて、楽にすっと構えることができます。変にスイングで調整しようとしなくても、芯でボールを打てる感覚になったのは驚きました」(Kさん)
Kさんは藤倉コンポジットのシャフト「TRAVIL IRON115(S)」を使用していて、今回のフィッティングでも同じモデルで試打をしました。山本さんはフレックスをSからXに変えることで、より弾道が安定すると話します。
「トゥダウンなど、シャフトの先端が動き過ぎることで方向がバラついていました。『TRAVIL IRON115』はスイングとの相性自体は良いので、フレックスを固くすることで先端の動きを抑えるのがオススメです。ミスの幅が狭くなって、より弾道が安定するはずです」(山本さん)
今回のフィッティング結果をもとにKさんは、スペックを細かくした「Mizuno Pro S-3」を購入。コースで打ってみた結果も満足できるものだったようです。
「ライ角や長さを自分に合ったスペックに調整したことで、今まで使っていたアイアンよりも明らかに抜けが良くなりました。弾道も高さが出せるようになりましたし、グリーンをしっかりキャッチしてくれます。クラブを変えただけなのに、前よりもうまくなった気分です」(Kさん)
頑張って練習をしても、クラブが合わないせいでミスが出ていたらもったいないですよね。フィッティングで調整を重ねたクラブは間違いなくスイングしやすいですし、弾道が安定するのでスコアも良くなるはずです。もっとゴルフを楽しむためにも、フィッティングで自分に合ったクラブを探してみてはいかがでしょうか。
取材協力・MIZUNO TOKYO
東京都千代田区神田小川町3-1