カッコ悪くて再現性も落ちる“オーバースイング”を改善! 正しいトップの形が身に付く“1本足打法”ドリルとは?
06/08 19:10
警察官からティーチングプロへと転身した吉竹千絢(よしたけ・ちひろ)プロが、アマチュアから寄せられたゴルフの疑問にズバッと回答する企画。今回のテーマは、不安定なショットの原因になり、見た目も良くない「オーバースイング」の直し方です。ある素振りを繰り返すことで、自然にトップがコンパクトになって形が整うようです。
大叩きの原因にもなる“オーバースイング”
今回、吉竹千絢プロに寄せられた質問は「トップでヘッドが垂れるようなオーバースイングになってしまい、ショットが安定しません。どうすればトップを収められますか?」というものです。
バックスイングからトップの位置まで上がった時に、ヘッドが下(地面)を向いてシャフトが水平なラインよりも傾いた状態になることを“オーバースイング”と呼びます。手先で振るタイプのゴルファーやパワーのない女性にありがちな形で、スイング軌道が崩れやすく、どうしてもショットの再現性が低くなります。
「通常、テークバックでは右足に体重が乗り、切り返しの前後のタイミングで左足に体重が移動します。一方でオーバースイングの人は切り返す前に右足に乗った体重を左足に戻してしまい、左サイドに倒れ込むような形でトップが形成されます」
「この形から切り返すと右足に体重が残った形であおるような打ち方になる恐れがあり、当たりはしますが、再現性が下がってしまいます。時には大きく左に曲がるチーピンが飛び出して、大叩きする原因にもなるでしょう」
「そもそもオーバースイングのトップが外見的にイヤという人も多いですよね。今回は自然にトップがコンパクトになって、ショットの精度が上がる練習法をご紹介します」
狭いスタンスで左足を後ろに引いてスイングする
オーバースイングを直すための練習法として吉竹プロがオススメするのが左足を後ろに引き、右足1本で立ちながらボールを打つドリルです。
「ドライバーを持ち、両足がつくぐらい狭いスタンスで構えます。ボールはスタンスの中央にセットします。そこから左足を後ろに引いていきます。左足のツマ先は地面に当てるだけのイメージにして、右足に全ての体重を乗せるようにして立つのがポイントです」
「右足1本で立つ形になるため、バランスを取りながらバックスイングをすると自然にトップがコンパクトになるはずです。トップでよろけてしまう場合は振り上げ過ぎている証拠です。右足1本でもバランス良く立てる位置までトップを上げることを心がけてスイングしてみてください」
「最初のうちは素振りでOKですが、慣れてきたらボールを打ってみましょう。右足1本で立ったままボールを打つには、上体の軸を垂直に保ったまま振り抜く必要があります。オーバースイングの人はダウンスイングで体が右に傾く傾向がありますので、このドリルを行うことで、その悪いクセを直すこともできます」
「トップからダウンにかけての形が整いますので、ショットの再現性が高まってくるはずです」
ツアープロの中にもオーバースイングになっている人は一定数います。しかしそれは、体の柔軟性が高いゆえにトップが深くなっているだけで体重はしっかり右足に残っています。
今回、吉竹プロが解説してくれたようなオーバースイングはショットを不安定にする大きな原因になるので「右足1本打ち」でしっかり矯正するのがオススメです。トップが適正な位置に上がれば自然にショットの安定感が増して、スコアも向上しますよ。
【レッスン】吉竹千絢(よしたけ・ちひろ)
1993年生まれ、山口県出身。警察官として「張り込み」をしていた場所にゴルフ練習場があったことで興味を持ち、ストレス発散を目的にゴルフをスタート。練習やラウンドを続ける中で、自然の中でスポーツをする爽快さにハマって、ゴルフのとりこになる。ティーチングプロの道を志したきっかけは、1年間のブランクの後で100切りを達成して、スコアアップする喜びを知ったこと。その3カ月後には警察官を辞め、練習場のアルバイトなどをしながら練習を積み、翌年のLPGAティーチングプロの実技試験に合格した。現在はティーチングプロA級の資格を取得。社会人になってからゴルフを始めた分、「大人のゴルフの分からない」を理解でき、明快な答えを出せることが強み。