王貞治氏、寝坊話は「(長嶋さんの)人間味の多さ、知っていただきたかった」中畑清氏「やっぱり太陽の人だったんだな」と感謝
06/08 19:06
肺炎のため3日に89歳で亡くなった巨人・長嶋茂雄終身名誉監督の告別式が8日、都内で行われ、弔辞を述べた王貞治氏(85)、中畑清氏(71)、松井秀喜氏(50)がインタビュー取材に応じた。
王氏は改めて盟友の死を悼み「こういうふうな形で別れるというのはね、思いもしなかったですから。長嶋さんは、やっぱり特別な人で、日本の野球界だけじゃなくて、日本そのものになくてはならない人でしたからね。だから、ファンの人たちも、私たちと同じように落胆していると思うんですよね」と語った。
弔辞では過去の自身の寝坊で長嶋さんに助けてもらったエピソードに触れ「まあ、表にも出てなかったですしね、だからこそ、長嶋さんが偶像的になっているけれど、実際はそういう、人間味の多い素晴らしい人だったんだというところもね、私はちょっと皆さんに知っていただきたかったんで。ちょっと話しましたけどね」と明かし、「とにかく特別な人だよね。みんなの。試合で勝ったり負けたりしてても切り替えができるしね。そういう点では選手というだけの存在じゃなかった」と敬愛する恩人へ言葉を届けた。
中畑氏は「思い出がいっぱいに頭の中にわき出てきて。楽しい思い出ばっかりが出てくるん
で、やっぱり太陽の人だったんだなって改めて感じる」と告別式を迎えるにあたっての気持ちを話し、「万人に対して、これほど幸せと笑顔と光を授けた人はいないんじゃないかなと。本当の神様なんじゃないですかね。もう二度と出てこないだろうし、その人との別れはやっぱりつらいです。神様のような野球人・長嶋茂雄とともに過ごした時間は、計り知れないほどの幸せな時間でしたから」と恩人との思い出に感謝した。
最後に弔辞を読んだ松井氏は「言葉にするのは難しいんですけれども、きょうはやっぱり、監督なんでね。笑顔で送り出したいと。そのことだけを意識しました」と別れの日を迎えた心境を明かし、弔辞では“監督”と呼び掛けていたことに「私とジャイアンツとの縁、またジャイアンツで過ごした日々、すべてが監督と共に歩んできた道でしたので。“監督”以外(表現は)ないですよね」と気持ちを口にした。
松井氏はアメリカから帰国して弔問に訪れた際には“監督との約束”という話も。このことについて「監督が何を望んでいるかっていうね、それも監督に、自分の心の中で聞いてみます。それで答えを出していきたいと思います。先日、『約束』という言葉を使いましたけれど、自分の中でも、うん、何か、これからの自分自身とこれからの監督との対話で、監督が導いてくれるんじゃないかなと思っています」と思いを明かした。
ご家族や巨人OBの方々とお見送りができたことについて「監督がね、今日落ち着かなかったんじゃないかなと思いますけどね。一緒にプレーした選手の方々、監督として指導した方々、たくさんいたので。みんながみんなの、“それぞれの長嶋茂雄”っていうのがあったと思うんですけど、それに監督は一人一人に答えていたんじゃないですか?忙しかったんじゃないですかね」と“監督”を気遣い、別れを惜しんだ。